日本の輸出に占める米国向けの割合が高まっている。 2023年の国・地域別輸出先では、米国が4年ぶりに中国を抜いてトップに立った(Photo by STR/AFP via Getty Images)

日本経済代表団が李強氏と会談 重要な懸念は解決せず

約200人の日本の経済界の代表らからなる「日中経済協会」の訪問団は今週、4年ぶりに北京を訪問した。実質的な発表がないまま日本に戻る予定だ。 双方は協力関係の深化に関心を示しているが、中共(中国共産党)の政策に対する日本商業界の重要な懸念は未解決のままだ。

ブルームバーグは日中経済協会の関係者の話を引用して、25日に北京で行われた会合で、日本代表団は李強首相に対し、日本人が中国に渡航する際のビザ免除を求めたと報じた。李強氏は、交流は重要だが、中国人の訪日にも同様にビザを免除する「相互主義」を要求している。

中共が水際対策を緩和させ、国境を開放して以来、日本は北京に対し、コロナ発生前の入国時のビザ免除措置を復活させるよう求めてきた。

昨年、北京は少なくとも11か国の国民にビザなし入国を許可したが、相互主義を要求していない。日本メディアの報道によれば、日本は同じ待遇を求めたが、北京は日本人にビザなし入国を認める条件として、自国民のビザなし日本入国の相互主義を要求した。

日本代表団のメンバーは中国訪問を評価したが、李強氏との会談で、日本代表団は、中国にいる日本人の安全に関する懸念、改正したスパイ防止法の実施、中共による日本の水産物やその他の食品の輸入禁止など、多くの難しい問題を提起した。 

王文濤商務部長との別の会談で、中共の反スパイ法、政府契約の入札の難しさ、国境を越えたデータ転送に関する規則についても懸念を表明した。これらの問題に対して、李強氏をはじめとする中共高官から直接の回答はなかった。

昨年、中共は製薬会社アステラス製薬の日本人従業員をスパイ容疑で逮捕した。日本政府関係者は、この動きは企業に衝撃を与えたと述べた。

その後、中国外交部は反スパイ法に関する懸念を否定し、中国のすべての法執行と司法活動は事実と法律に基づいていると主張した。

日中関係は、処理水の海洋放出や、中共による日本人拘束事件で緊張が高まっている。また、日本が中国への先端チップ製造装置の輸出を制限したことで、中共は岸田首相が米国に追随していると非難した。

2022年まで、中国は日本にとって最大の輸出市場(1450億米ドル)約21兆786億円であり、最大の輸入元(1890億米ドル)約27兆9336億円でもあった。 2023年の輸出先を国・地域別に見ると、米国が4年ぶりに中国を抜いた。

 経済的に好調な米国への日本の輸出は回復しているが、他方で、経済が停滞している中国への輸出の落ち込みが顕在化している。

昨年末に発表された調査結果によると、中国進出を計画している日本企業の数が初めて30%を割り込んだ。景気の先行き不透明感を懸念する企業もあれば、地政学的リスクを強調する企業もある。

中共の国策による様々な補助金の結果、現地企業との競争が激化していることに加え、中国経済の先行き不透明感や、処理水問題において中共が中国人の反日感情を煽ったことなど、中国での売上減少に直面する日本企業が増えている。

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