専門家が解説する入浴タイミングの選び方

朝シャワー vs 夜シャワー、あなたはどっち? 

入浴時間は人それぞれ異なり、同じ人でも毎日の入浴時間が同じとは限りません。東洋と西洋では入浴文化が違うようです。東洋人は夜に入浴するのに対し、西洋人は朝シャワーを好みます。では、シャワーを浴びるのは朝と夜どちらが良いのでしょうか?  専門家の意見を見てみましょう。

夜にシャワーを浴びるのが睡眠の質を上げる

ハフィントン・ポスト紙によると、朝シャワーを浴びるのがいいか、夜シャワーを浴びるのがいいかは、「いい」の定義によります。睡眠に関しては、夜の入浴の方がリラックスしやすいので、睡眠の質を上げることができます。

体温にも表面体温と、体の奥の深部体温の2種類あって、人は、深部体温が下がるときに眠気を感じます。ですから、湯船につかって体の深部体温を上げて、眠る約1時間前にお風呂から出ると、しっかりと体温が下がるため心地よい眠気が訪れます。

米国の睡眠専門家、ロバート・オックスマン氏は、体内時計は夜間に自然に深部体温を下げます。これは脳にリラックスして睡眠の準備をするよう指示することだと述べました。

いつもの寝る時間になると、体温は下がり始めます。朝、目覚める前に、体温は上昇し始め、脳に対して「そろそろ起きて一日を始めよう」というシグナルを送るのです。

熱い風呂は、就寝時間が近づいていることを脳に知らせます。「夜の入浴は、深部体温をさらに下げ、睡眠の質を高めます。深部体温を下げることは、入眠と夜間の適切な睡眠を維持するために必要なのです。

ところが同氏は、熱い風呂に入ることは、睡眠には良いですが、体内時計が自動的に深部体温を下げるため、夜のお風呂は必須ではないとも言うのです。

また、熱い風呂に入ることで睡眠を高めたいのであれば、寝る前30分以内に入るべきだと指摘しました。ただし、就寝前に冷たいシャワーを浴びると、皮膚に流れる血液の量が減り、体が震えてしまいます。その結果、体温が上昇して、睡眠を妨げる可能性があるというのです。

オスマン氏は朝シャワーを浴びることは、体に悪くないと語ります。実際、朝シャワーを浴びると眠気を撃退するのに役立ちます。夜どれだけよく眠っても、朝になると眠けが残るからですね。

朝のシャワーは髪の健康に良い

英国のヘアケア会社、ヘアナウハウの創設ディレクターであるジョナサン・パーマー氏によれば、夜にシャワーを浴びた後、髪を自然乾燥させ、髪が乾く前に寝てしまう可能性があります。それは髪にダメージを与えるだけでなく、頭皮にカビが増殖しやすくなると言っています。

特に長い髪の場合、濡れた髪と枕の間の摩擦も、髪のキューティクルを損傷する可能性があるそうで、時間が経つと比較的大規模なダメージが発生するのだそうです。

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「髪の健康という観点からは、乾いた髪で寝る方が髪には良いのです」とパーマー氏は指摘しました。

夜、お風呂に入る、またはシャワーを浴びる習慣のある人は、寝る前に髪をドライヤーで乾かすほうがよいのです。朝にシャワーを浴びると、髪の毛を自然乾燥させる時間が長くなります。

注目すべきなのは、パーマー氏が観察したのはほとんどがロングヘアの人たちです。 短い髪は乾きやすく、髪の毛がダメージを受けるリスクも少ないです。髪の短い人はシャワーの時間をあまり気にする必要はありません。

肌の健康に関しては、いつ入浴しても大差ない

アメリカの皮膚科医ジュリア・キャロル氏は、「入浴は皮膚の汚れ、脂分、汚染物質などの汚れを取り除くことができます。いつ入浴してもその効果は同じです。入浴時間は個人的な選択にすぎません」と指摘しています。

同医師は、入浴時間帯にかかわらず、入浴後にボディーローションで保湿することは、入浴と同じくらい重要だと述べています。

また、頻繁にお風呂、特に熱いお風呂に入らないようにしてください。お風呂に入ると、皮膚の天然クリームがはがれて乾燥してかゆみが生じる可能性があります。入浴前にお湯の温度を調整し、皮膚の自然な皮脂を保つように、熱いお湯ではなくぬるま湯を使用してください。

朝シャワーを浴びた後、きちんと保湿をする時間がない人が多いので、夕方にシャワーを浴びるのが良いとも語りました。

「一般に朝は時間が少ないので、シャワーを浴びた後、最も重要な保湿ステップを含むお決まりの手順全体を完了できない可能性があります」

陳俊村