2014年10月2日、バージニア州ダレスのワシントン・ダレス国際空港 (Mark Wilson/Getty Images)

「スパイを警戒」米当局、中国人留学生数十人のビザ取り消し、強制送還

米国境警備官が、中国共産党との繋がりを疑われる中国人留学生数十人を尋問し、ビザ取消しや本国強制送還するケースが続いている。激しい米中競争の最中、米当局は中国共産党のスパイ活動を警戒しているとみられる。

駐米中国大使館は1月29日付の声明で、ここ数か月の間、海外旅行や中国訪問から米国の学校へ戻る際に、有効なビザを所持するにも関わらず入国を拒否された中国人留学生が数十人いると述べた。

声明によれば、警官に8時間も尋問されたり、携帯していた電子機器も調べられたりした学生もいたという。いっぽう、留学生の入国拒否の理由や、取り調べを受けた中国人留学生の人数や状況の詳細については明らかにしていない。

中国国営メディアによると、2023年11月末以降、ワシントン・ダレス空港だけで少なくとも8人の中国人留学生が、合法的で有効な書類を持っているにもかかわらず米当局に尋問され、強制送還されたという。

華僑問題を扱う中国の公式サイト「僑網」は中国人留学が強制送還されたいくつかのケースを挙げた。

そのうちの一人は、2023年1月にコンピューターサイエンスの博士号を取るためにメリーランド大学に留学した李という姓の留学生だ。ワシントン・ダレス空港に到着した後、米国の税関によって取調室に連行され、尋問を受けた。

中国メディアの報道によると、米法執行官は李さんの携帯電話、ノートパソコンなどの電子機器を検査しただけでなく、李さんとその家族が中国共産党と共産主義青年団のメンバーであるかどうかを繰り返し質問したという。

結局、米当局は李さんのビザを取り消したのち強制送還し、5年間の入国を禁止した。

そのほか、米国での勉強や科学研究が中国共産党政権のプロジェクトや軍事、重要な研究所と関係があるかどうかを問われたケースもあったという。

中国共産党が海外の中国人留学生を使ってスパイ活動を行い、知的財産を盗んでいることは国際社会で知られている。米国の情報機関は、中国共産党軍に所属する中国人留学生が米国に国家安全保障上のリスクをもたらすと何年も前から警告してきた。

2020年5月、トランプ大統領(当時)は知的財産の窃取の恐れがあるとして、中国共産党軍と関係のある中国人の留学生や研究者のビザを取り消す行政命令を発令した。

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