22年5月東京で開催されたクワッド首脳会議にて集うバイデン米大統領と岸田文雄首相、インドのモディ首相、オーストラリアのアルバネーゼ首相(Photo by YUICHI YAMAZAKI/POOL/AFP via Getty Images)

クアッド強化法案、米下院を通過 「自由で開かれたインド太平洋」促進

米下院で15日、「クアッド強化法案」が通過した。法案は、日米豪印による自由で開かれたインド太平洋の促進と、4カ国の議員間作業グループの創設を掲げる。提出したグレゴリー・ミークス議員(民主党)は声明で、権威主義が台頭する世界で、民主主義国が連携して国際ルールを促進することが重要だと強調した。

「米国、日本、オーストラリア、インドによる四国安全保障対話(クアッド)は、自由で開かれたインド太平洋地域の促進、我々の国家安全保障の強化において、不可欠な役割を果たしてきた」とミークス議員は述べ、バイデン政権に対して、クアッドのさらなる強化を求めた。

「世界中で権威主義が台頭するなか、我々の民主主義が連携し、開かれた社会と市場の成功を示すことが肝要であり、民主的なガバナンスと国際ルールを促進し、実質的な成果を提供することが重要だ」と綴った。

クアッドの課題は、中国共産党がインド太平洋地域にもたらす影響力増大への対処だ。法案が可決すれば四国間の議会作業グループが創設され、単なる政府間の枠組みを超えた国会議員間の対話が促される。より包括的な協力のプラットフォームへと進化することが期待されている。

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