2月19日、国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長は、イランが高濃縮ウランの生産を続けており、来月には1年ぶりにイランを訪問してこうした動きにブレーキをかけたい考えを示した。写真はキーウで6日撮影(2024年 ロイター/Valentyn Ogirenko)

イランは高濃縮ウラン生産継続、来月訪問で抑制働きかけへ=IAEA事務局長

[ブリュッセル 19日 ロイター] – 国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長は19日、イランが高濃縮ウランの生産を続けており、来月には1年ぶりにイランを訪問してこうした動きにブレーキをかけたい考えを示した。

グロッシ氏はこの問題について欧州連合(EU)各国の外相らに説明した後、ロイターの取材に応じ、昨年末以降イランの高濃縮ウラン生産ペースはやや鈍化したものの、なお60%に濃縮したウランを毎月約7キロ前後生産していると述べた。

60%の濃縮ウランは兵器級の純度に近く、商業利用目的では必ずしも必要とされない。

イランは核兵器保有を目指すことを否定している。ただ核兵器を製造せずにこのようなウラン濃縮化を進めている国はない。

2015年の包括的共同作業計画(JCPOA)、いわゆる核合意の下で3.67%までのウラン濃縮を認められていたイランは、18年に当時のトランプ米政権が合意から離脱した後、濃縮度を大幅に高めたウランを生産している。

IAEAが以前公表した報告書によると、昨年6月から11月までイランは高濃縮ウラン生産を毎月3キロに落としたが、年末時点では毎月9キロに高まった。

グロッシ氏は、このような変動があっても高濃縮ウランの保有量が増え続けているという基本的な流れは変わっていないように見えると指摘した。

またグロッシ氏は、イラン政府高官から核兵器製造に必要な全ての要素がそろったと受け取れるような発言が聞かれるのは懸念されるし、イスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘で中東情勢が緊迫化しているだけに、なおさら不安に駆られると付け加えた。

グロッシ氏は、イラン訪問に先立ってロシアを訪れ、イランや中東情勢、ウクライナ問題などを話し合う予定。「ロシアはイランに関して重要な役割を担っている。過去においてJCPOAの一角としてその役割を果たしており、JCPOAの枠組みがほぼ崩れ去った現在においては、何か穴埋めが必要になっている」と強調した。

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