政府は2024年に「防衛イノベーション技術研究所(仮称)」を創設すると発表した。写真はドローンのイメージ図(Mirexon/PIXTA)

防衛イノベーション技術研究所、今年新設 モデルは米国最先端の「DARPA」

科学技術が戦闘の様相を変えるなか、政府は他国に対する技術的優位性を確保するため、2024年に防衛イノベーション技術研究所(仮称)を創設する。インターネットやGPSといった先進技術を生み出してきた米国のDARPA国防高等研究計画局)を参考に、外部人材を活用しつつ官民一体で取り組む。

林芳正官房長官が26日の記者会見で明らかにした。「新たな研究機関では、チャレンジングな目標にリスクを取って果敢に挑戦し、将来の戦い方を大きく変える機能・技術をスピード重視で創出していく」とし、「画期的な装備品や防衛上の機能を、他国に先駆けて実現する研究開発体制を抜本的に強化する」と述べた。

防衛省が発表した文書によると、防衛イノベーション技術研究所は米国のDARPA(国防高等研究計画局)やDIU(国防イノベーションユニット)における取組みを参考にしている。民間などの外部人材を積極的に登用し、「これまでとは異なるアプローチ、手法」で「変化の早い様々な技術を、将来の戦い方を大きく変える革新的な機能・装備につなげていく」ことを目的とする。

具体的には、従来まで使われていた音波による潜水艦の探知を、電磁波や素粒子などを利用した技術に置き換えることなどが挙げられている。

防衛イノベーション技術研究所は外部人材を積極的に活用し、発足時は官民で100人程度だという。

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