(大紀元)

高智晟著『神とともに戦う』(80)権利を護りぬいた軌跡「一つの省と一人の盲人との間の戦争」(1)

【関連記事】

高智晟著『神とともに戦う』(79)権利を護りぬいた軌跡「納税者への扱いは獣以下だ」

中国山東省の強大さは完全に「東部沿海地域」という理由に依拠している。2005年下半期から現在にわたり、山東省は一人の盲人との戦争を通じてこの沿海地域の忍耐力と強大さを世界中に披露した。

山東省は確かに沿海地域の名に恥じない。2005年に広東省で起きた殺人と略奪事件によって、山東省に残忍な暴力エネルギーが異常なほど蔓延していることを全世界に見せつけた。山東省は盲人の陳光誠氏との戦争において、そのやり方をそのまま踏襲した。

2005年10月4日、著名人権活動家の許志永博士と李方平弁護士らは、山東省党委員会が全省の邪悪な勢力を率い、解放軍が錦州を包囲攻撃した時と同様の手口で数ヶ月軟禁していた陳光誠氏を法律的に援助するため、現地へ向かった。省党委員会、省政府はそれに対して、戦略的に非常に重視し、戦術的に緻密な配置を行った。

あらかじめ現地の幹部を中心とした、悪党集団を組織して用心深く待ち構えていたのである。李方平弁護士らは移動途中に突然、対処する間もなく殴り倒され、警察署へ強制連行された。そして不法な取調べを受けた後、10月5日には北京へ強制送還されてしまった。

人類の戦争の歴史の中で、ファシズム集団の宣戦目的はほとんどが略奪であったが、しかし中国政府が国民に対して起こす戦争は状況が少し異なる。ほとんどの場合は野蛮な略奪の後、痛ましい被害を受けた公民が法律に基づいて権利を護ろうとするタイミングで開戦するのである。「太石村の血生臭い暴力事件」、「汕尾殺人事件」及び山東省が盲人の陳光誠氏に対して起こした戦争は、どれも例外なくその法則に則っていた。

一つの省と一人の盲人との間に勃発した今回の戦争を導いたのは、山東省党委員会と省政府の、国民の尊厳を残酷に虐殺する悪習だった。2005年に再び、恥知らずなマフィア的手口を用いて山東省臨沂で野蛮で暴力的な「結さつ(避妊手術)」を行い、再び国民を苦痛の深淵に突き落とした際、この天理に逆らい、国民の怨みを買うやり方は地元の著名人権活動家である陳光誠氏の関心を引いた。

陳光誠氏が法律に基づいて調査活動を始めたところ、その行動は一貫して無法の限りを尽くしてきた政府の狂気と失態を刺激したらしく、善良な民衆に犯した甚だしい罪を隠蔽するため、党委員会と政府等は再び悪党を集めて弾圧の旗を掲げた――すなわち山東省の総力を挙げて一人の盲人との戦争を開始したのである。

この未だ先の見えず、全世界に注目される中で勃発した一つの大きな省と一人の盲人との戦争を通じて、外の世界は「東部沿海地域」山東省の「忍耐力と強大さ」を目にしたばかりではなく、この東部沿海地域が党の執政能力を強化した後、特に「先進性を保持する整党運動」の威勢を借りて、全省の党、政治、警察が盲人の陳光誠氏との戦争において一致団結したことに、最も驚かされたのである。

(続く)

【関連記事】

高智晟著『神とともに戦う』(81)権利を護りぬいた軌跡「一つの省と一人の盲人との間の戦争」(2)

関連記事
この一人の盲人との戦争において見られた効率的でタイムリーな国家機関の動員、迅速な暴力資源の投入といった能力の高さは驚く程である。手強い相手――盲人の陳光誠氏を屈服させるため、
執政政府を自称する中共は、何者かによって政権を転覆させられることを恐れ、内心では常に気をもんでいる。その恐怖と焦燥は既に手に付けられないほど病的であり、例えば疑いの目を向けた
「2003年2月15日、私は“市人民代表大会”宛てに三通の手紙を送りました。16日午前8時頃、私は実家に向かう途中で自警団員に尾行されていることに気づき、バスを降りると41954
【大紀元日本8月8日】中国政府による人権弾圧を非難したため「国家政権転覆扇動罪」で投獄されていた中国の人権弁護士・高智晟氏(50)は刑期満了の7日に釈放された。関係者から早くも「今後も当局による監視が
米キリスト教系人権団体、対華援助教会の会長である傅希秋・牧師は11月10日のツイッター上で、中国の有名な人権派弁護士、高智晟氏(50)からの私信を公開した。11月3日に書かれたこの手紙の中で、健康な歯は3本しかないという高氏は、「政府は、私が歯医者に行くことは国家安全に脅威をもたらすと恐れるため、頑として治療を受けさせてくれない」と皮肉ながら、自身の置かれた現状を明かした。
中国の著名人権派弁護士、高智晟氏が新たな著書の出版を娘の耿格さんに委託する形で発表された。共産党が2017年に崩壊するとの大胆な予測を含んでいることもあって、海外から大きな注目を集めている。だが耿さんは、この本の出版が発表されてから高氏とまた連絡が取れなくなっていることを明かした。
 法輪功を弁護したことで迫害されている人権弁護士は16日、6月に発表した新著を大紀元中国語ネット版に無料公開した。本は、中国当局による拷問や家族への嫌がらせ、共産党政権の崩壊と次世代の中国社会の予測をつづったもの。
中国共産党により、約十年前から迫害されている中国本土在住の人権弁護士・高智晟氏は、米大統領選前に「絶対にヒラリーに投票しない」との文章を大紀元に寄せていた。同氏の主張で、秘密警察から聞いたところによると、ヒラリー氏は中国人権問題に言及しないようにとの中国側の要求を受け入れて、高額な賄賂を受け取っていたという。下記はその文章の抄訳。