中国料理店「東方明珠」の前で記者会見に臨むオーナーの王海軍氏(右)。写真は2022年12月29日撮影。(金明国/大紀元)

韓国警察、ソウルの中華料理店オーナーを家宅捜索 中国秘密警察署運営した疑い

韓国警察はこのほど、中国共産党(中共)の海外秘密警察署と指摘されている、ソウル市内の中華料理店を経営する王海軍氏の自宅を家宅捜索した。総選挙が1カ月後に迫るなか、中共の影響力を排除する狙いだ。韓国ではスパイ罪の適応対象が北朝鮮関係に限られており、「スパイ防止法」の改正が急務となっている。

中国料理店「東方明珠」のオーナー王海軍氏(46)は2月22日、汚職の疑いで家宅捜索を受けた。同日、中国から入国したばかりの王氏は税関で所持品を没収された。韓国警察は、仁川にある王氏の自宅と、王氏が経営するメディア企業を捜索し、王氏と関係者に対して出国禁止令を発出した。

ソウル市内の秘密警察署の存在は、国際人権団体「セーフガード・ディフェンダーズ」が2022年末に発表した報告書で明らかになった。それによると、韓国には「南通市公安局」が設置されており、「中国共産党は中国の朝鮮族や留学生を連絡員として雇い、現地の公務員と協働させている」という。

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