3月8日、香港政府は、スパイ行為などを取り締まる国家安全条例案を公表した。立法会(議会)が同日午前に審議を開始する見通し。写真は香港の旗と監視カメラ。香港で2020年7月撮影(2024 ロイター/Tyrone Siu)

香港、国家安全条例案を公表 早期制定へ審議開始

[香港 8日 ロイター] – 香港政府は8日、スパイ行為などを取り締まる国家安全条例案を公表した。立法会(議会)が同日、審議を開始した。香港政府トップの李家超行政長官は早期の制定を訴えた。

国家への反逆やスパイ行為、外部からの干渉、国家機密の窃盗、扇動を取り締まる規定を盛り込んでおり、市民の自由がさらに後退するとの懸念がある。

国家への反逆には最高で終身刑、スパイ行為は20年の禁錮刑、国家機密の窃盗には10年の禁錮刑を科すと定めている。同時に、人権を尊重・保障し、言論などの自由を守ると記されている。

審議には数週間を要する可能性がある。

香港政府は「地政学がますます複雑になり、国家安全保障上の喫緊のリスクがなおある」とした。

投資家の一部は立法手続きを急ぐ動きは憂慮すべきだと指摘。オリエント・キャピタル・リサーチ(香港)のマネジングディレクター、アンドリュー・コリアー氏は、制定を急ぐのは市民の反対を懸念しているからだと指摘。「個人の権利を担保するガードレールが設けられない限り企業は不満を感じるだろう」と述べた。

条例案はまた、警察が逮捕者を拘束できる期間について、裁判所が承認すれば最長14日まで可能にするとした。現在は48時間となっている。

外国勢力と共謀した扇動行為も現在の禁錮2年から最高で10年に引き上げた。

関連記事
7月からスマートフォン・PCの検査開始。  最近、中国共産党(中共)の国家安全部が、新たな取り締まり […]
中国共産党はコミュニティワーカーの体制を強化し、地域での党組織の運営、管理、サービス業務に特化させた。これによ […]
米国のピュー研究所が行った最新の調査結果によると、81%の米国人が中国に対して肯定的な感情を抱いていないことが分かった。さらに、中共政府の外交政策については、79%の米国人が信頼していないと回答している。
アメリカのブリンケン国務長官は中国訪問の最終日に、中国共産党公安部長の王小洪氏と異例の対話を行った。報道によれば、王小洪氏は「両国間の麻薬取締りにおける法執行の協力」を進める意向を表明しているという。
米イエレン財務長官の最近の訪中は、新たな貿易戦争の予兆であるとする見方がある。イエレン氏は中国当局に対し、ダン […]