沖縄の墓地は比較的広く、多くの親族が集まって先祖を祀ることができます(CaptainT / PIXTA)

沖縄の清明節、 墓参りと家族の祝宴は同じ日に行われる?

沖縄清明節は、毎年4月5日頃に祝われ、お盆の先祖供養とは異なり、墓参りと家族の祝宴が見事に結びついた独自の祭日です。

沖縄の清明節は、地域で最も重要な伝統的な祝日の一つであり、この時期には離れた場所にいる家族がほぼ全員が帰省し、祖先を祭ります。沖縄の墓地は比較的広く、多くの親族が集まって先祖を祀ることができます。

清明の日には、一同で墓地に集まり、雑草を取り除き、墓地を整え、墓石を清め、用意された酒や食べ物、花などの供物を墓の前に供え、香を焚き、ウチカビ(沖縄にて先祖供養の際に用いられている冥銭の一種)を燃やして先祖への供養と敬意を示しとともに、先祖に子孫の近況を報告します。

お盆との違いは、清明節では供養が終わると、墓の前の広場にレジャーシートなどを敷いて、親族全員が一緒に食事をすることです。その光景はまるでピクニックのようで、家族が供えたお酒とごちそうを囲んで楽しみます。これにより、清明節での墓参りは非常ににぎやかになり、祝祭の雰囲気を醸し出します。つまり、清明節は先祖を祭ることを祝いの一環として行うのです。これは、通常の静かな追悼の雰囲気とは大きく異なります。

実際には、昔の寒食節での先祖への供養と春のピクニックが融合したものです。中国では供物を家に持ち帰ったり、墓地から離れた場所で家族が集まって宴を楽しむことが一般的です。

家族が集まって宴を開いて親睦を深めます(Fast&Slow / PIXTA)

清明節に祖先を祭った後、家族が集まって宴を開いて親睦を深めるのは、ただの慣習ではありません。この行事は、子孫が毎年、祖先の歴史と教えを振り返り、祖先を尊敬し、感謝の心を持ち、今ある福を大切にし、親孝行を尽くし、しきたりを守ることを学ぶ機会でもあるのです。

また、祖先に対して家族の状況を報告することで、不正を働いたり、勝手な言動を取ったり、祖先の名誉を傷つけるような行いを避け、自らが一生懸命努力し、祖先に心配をかけないようにし、祖先の加護を祈るものです。

実際、行事の本質は単に楽しむためではなく、代々伝わる祖先の教えを守り、軽はずみな行いを慎み、老人を敬い、徳行を保ち、家族の名誉を汚さないことにあります。人々は神や祖先を敬うことで、人としての品格を保つことができます。

孔子の『論語』には「慎終追遠、民德歸厚矣」(終わりを慎み、遠きを追えば、民の徳厚きに帰せん)と述べました。父母の死を丁重に弔い、先人たちの教えを思い返すことで、人々の心がより忠実で慈愛に満ちたものになるという意味です。

論語のこの言葉は、のちに先人を尊び、彼らを追慕することを指すようになりました。宋や明の時代以降、忠孝が非常に重視されるようになり、清明節での祭祀もより格調高いものとなりました。これは、子孫が忠孝の徳行を守り伝えるためです。

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