20日、米ハーバード大学における駐米中国大使の講義の最中、学生が抗議活動を展開した(スクリーンショット)

米ハーバード大学で駐米中国大使講演中…「恥を知れ」「臓器狩りやめろ」抗議者さけぶ

中国の謝鋒駐米大使が20日、米ハーバード大学ケネディスクールで講演中、複数の学生活動家による抗議が起こり、演説は何度も中断された。抗議者は中国共産党によるチベット、新疆ウイグル自治区、香港での高圧的な政策を非難し、非合法な臓器狩りを糾弾した。

抗議が続いた。ある女子学生は、謝大使が香港の自由を奪い、民主主義を破壊したと非難した。別の女子学生は、中国共産党によるチベットでの高圧的な政策を批判し、「チベットの子どもたちは植民地型寄宿学校への就学を強制され、チベット人の存在が破壊されている」と訴えた。

謝大使は演説で、中国は米国のパートナーであり友好国になる意思があると表明。台湾、香港、新疆ウイグル、チベット問題に言及したが、これらを「内政問題」と定義し、米国による干渉を非難した。いっぽう、学生らによるプラカードを用いた抗議は続いた。

ある抗議者は中国共産党によるウイグル族への残虐行為を直接非難した。「多くのウイグル族が強制収容所で拷問を受け、臓器を強制的に摘出され、不妊手術を強いられている。謝鋒は恥を知れ!」と抗議者は叫んだ。党によるジェノサイド(大量虐殺)が行われていると訴えた。

中国共産党メディアは大使の大学訪問を封じ、抗議活動に関しても触れていない。22日までにハーバード大学はこの出来事について言及していない。

米中関係は近頃、様々な問題で後退の兆しが見られる中、ブリンケン米国務長官の訪中を控えているが、大きな進展は難しいとの見方が広がっている。大学での大使講演中の講義運動は、人権問題をめぐり中国共産党が国際社会から強い疑念を持たれていることを浮き彫りにした。

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