2024年4月26日、フィリピンのヌエバ・エシハ州ラウルでフィリピン陸軍が実弾演習を行い、105ミリ榴弾砲の発射準備が進められていた。この演習は、アメリカとフィリピンが共同で実施する軍事演習の一環である。(Ezra Acayan/Getty Images) (Photo by Ezra Acayan/Getty Images)

中国共産党の強硬な南シナ外交が裏目 バリカタン米比演習で中共対抗策が加速

米比同盟は新たな局面を迎えている。4月22日に開始された「バリカタン」軍事演習は、アメリカとフィリピンの関係が過去最高の状態にあることを示すものだ。中国共産党による南シナ海での挑発的な行動に直面し、フィリピンはアメリカとの協力を強化し、国防力を高めるチャンスを得ている。

フィリピンは長い間、アメリカにとってアジアで重要な同盟国だったが、4年前には関係が悪化寸前だった。今では、米比同盟は数十年来で最も強固な状態にある。この意外な同盟関係の「ダークホース」は、アメリカの外交政策、フィリピンの新しい大統領の政策、そして中国共産党が南シナ海で行ったフィリピンへの干渉の結果として生まれたものだ。

4月22日、アメリカとフィリピンは過去最大規模の年次軍事演習「バリカタン」を開始し、1万6千人の兵士が参加した。演習は5月10日まで続き、フィリピンの領海を超えて南シナ海にも及んだ。これは、中国共産党の広範な領土主張に対する明確な対抗行動である。演習では、アメリカ製の「ハイマース」ロケット砲や「スティンガー」対空ミサイルの使用が予定されており、実戦に備えた協力体制を整えることが目的だ。

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