2020年米大統領選の決着がもつれている。写真は同年3月、米バージニア州で民主党大統領候補を決める予備選挙で投票する女性。参考写真(Samuel Corum/Getty Images)

5月14日アメリカ予備選挙、予想通りだったが、ハイライトも

5月14日、メリーランド州、ネブラスカ州、西バージニア州で民主党と共和党の初選が行われた。前大統領ドナルド・トランプ氏と現職大統領ジョー・バイデン氏は選挙戦でいくつかの危険な兆候が明らかになったが全体的な状況は安定していた。

トランプ氏とバイデン氏は予想通り初選で勝利したが、得票率は予想を下回った。前国連大使ニッキー・ヘイリー(Nikki Haley)氏は選挙戦から撤退しているにもかかわらず、初選で二桁の得票率を維持している。メリーランド州では、ヘイリー氏が20%の得票率を獲得し、トランプ氏は80%を得た。ネブラスカ州と西バージニア州では、彼女の支持率はそれぞれ18.1%と9.4%である。

バイデン氏も同様の問題に直面している。ガザ戦争に対する彼の対応は党内左派から批判され、反イスラエル抗議活動が全国の大学キャンパスでこの傾向はさらに強まっている。メリーランド州では、バイデン氏が86.3%の支持を得たが、10.4%の有権者が「無回答」の票を投じた。ネブラスカ州と西バージニア州の統計では、バイデン氏の支持率はそれぞれ90.1%と70.5%である。

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