(Kateryna Kon/Shutterstock)
早期に発見できれば食道がん治療はうまくいく

注意すべき食道がんの早期警告サイン

食道がんは比較的よく見られるがんであると同時に、治療が最も難しいがんの1つでもあります。進行するまでは症状に気づきにくい食道がんですが、初期兆候は数多くあります。これらの兆候を理解し注意すれば、早期発見と完治が可能です。

食道は喉と胃をつなぐ筋肉性の管で、食べ物や液体を運ぶ役割を果たしています。食道がん患者の多くは、初期段階では自分の病状に気付いていません。診断される頃には、がんが体の他の部位に転移していることが多く、死亡率が高まります。米国がん協会によると、食道がんの5年相対生存率はわずか22%です。米国で1番多い死因である肺がんの生存率28%よりは低いですが、治療が難しい肝臓がんの生存率と同程度です。

クリーブランドクリニックによると、食道がんは通常、急速に進行します。食道は柔軟性があるため、成長する腫瘍の周囲に広がります。その結果、がんが進行するまで目立った症状が現れないことがよくあります。

▶ 続きを読む
関連記事
大腸がんは「いつ治癒といえるのか」。3万5,000人超のデータから、手術後6年で再発率が0.5%未満になる重要な節目が判明。長年の不安に明確な指標を与える最新研究の意義を分かりやすく紹介します。
更年期以降、腸内細菌叢の変化が炎症やホルモン代謝に影響し、乳がんなど一部のがんリスクに関係する可能性があります。腸の乱れとがんの関連、改善策を解説します。
ごく小さな「げっぷ」や胸の違和感――それが命に関わるサインかもしれません。見逃されがちな消化器がんの初期症状、早期発見の重要性、最新治療まで、知らないと危ないポイントを丁寧に解説します。
免疫療法は自分の免疫系を直接働かせ、がんと闘う力を引き出す治療法です。腸内環境、食事、運動、ストレス管理などの生活習慣が、免疫反応や治療効果に影響することが明らかになっています。
肝がんは急に発症するのではなく、肝臓への負担が長年蓄積し、線維化・肝硬変を経てがん化へ進行します。この過程には介入の時間があり、飲酒習慣や脂肪の代謝改善、ウイルス感染の管理で発症リスクを大きく下げることができます。