円146円台 相互関税で約3円の急激な円高ドル安 米景気懸念が背景
3日早朝の外国為替市場で、ドルが急落し、円相場は一時1ドル=146円台後半まで上昇した。これは3月11日以来の円高水準であり、前日夕方の149円60銭台から約3円の急激な円高・ドル安となった。市場では、トランプ米大統領が発表した「相互関税」の内容が、予想以上に厳しいものだったことに、その背景があるとの見方が広がった。
トランプ大統領は2日、すべての輸入品に最低10%の関税を課すとともに、国別に異なる上乗せ税率を設定する「相互関税」を発表した。日本に対しては24%、中国に34%、EUに20%などといった高い関税率が適用されることになる。この政策は、アメリカと貿易相手国との間で、同等の関税率を求めるものであるが、市場では、その影響がアメリカ経済に悪影響を及ぼすとの懸念が広がった。
市場では当初、この発表が「交渉材料」として使われる可能性もあると見られていた。しかし、実際には、想定以上に強硬な内容であったため、ドル売りが加速した。
関連記事
東京株式市場の前場で日経平均が下げ幅を拡大し、一時800円超の下落を記録。米株高後の過熱感から利益確定売りが膨らみ、植田日銀総裁の講演を前に投資家が警戒
金価格の高騰を背景に、日本への金の密輸が3年連続で急増している。片山さつき財務大臣は28日、税関で申告のない金について没収を可能とする制度改正を明らかにした。不正薬物以外の没収対象化は初めてであり、財務当局が金密輸を従来より深刻な脅威と捉えていることがうかがえる
ソニーや三菱自動車など多くの日本企業が中国で事業縮小や撤退を進行中。生産拠点は東南アジアやインドへの移転が目立つ
高市首相は、日米が南鳥島周辺海域でレアアース鉱物の共同開発を検討すると発表。経済・安全保障の強化を目的に日米が協定を締結し、中国依存脱却を目指す。
9月貿易統計では、半導体関連の輸出回復により5カ月ぶりの増加が確認されたが、輸入がそれを上回り、貿易赤字は3か月連続となった。円安進行が輸出企業の追い風となる中、高市早苗氏の政策スタンスが市場で注目を集めている。