イスラエルの防空システム「アイアンドーム」(左)によるハマスのロケットミサイル(右)迎撃の瞬間(アナス・ババ/AFP via Getty Images)

アメリカ 新防空システム「ゴールデンドーム」への期待と現実

アメリカのトランプ大統領は、難攻不落の新たな防空システム「ゴールデンドーム」構想を発表した。開発に成功すれば、アメリカ全土に大陸間弾道ミサイル(ICBM)1発の侵入も許さない体制ができあがるが、その道のりは遠い。主な原因は、実戦とかけ離れた兵器の運用テスト体制にある。

アメリカ海軍のケビン・アイヤー元大佐は4月5日にジャーナルで「The Illusion of BMD Testing in Ships(弾道ミサイル防衛運用テストの幻想)」を発表、イージスシステムを搭載した米駆逐艦および巡洋艦の弾道ミサイル迎撃シミュレーションがいかに非現実的かを指摘した。

テストで使用される艦船には電子機器を冷やすための特殊な空調設備が搭載され、博士レベルの技術者が入念な準備を行う。また、気球から発射されたミサイルを巡洋艦が実際に迎撃する際は、実戦では想定できない過剰支援、事前準備、状況設定がなされていた。

▶ 続きを読む
関連記事
米中首脳の公式晩餐会には米国の著名経営者が出席した一方、公表名簿に中国企業の経営者は見当たらなかった。筆者は米中対立や党の統制、経営者を取り巻くリスクから、その背景を読み解く
米中首脳会談後、双方が公表した文書には関税やAIを巡る説明に違いが残った。米側だけが記した事項もあり、台湾問題については双方とも言及していない
米中首脳会談で延長の「貿易休戦」。だが、レアアース問題は解決していない。米欧が供給網を再構築するまで数年を要する一方、北京はなお輸出管理を交渉材料にできる。2027年1月10日までの「時間」をめぐる競争が始まった
トランプ大統領が習近平を空港で出迎えた異例の対応。厚遇の一方、米軍基地では軍用機も並んだ。交渉の場づくりから国力の誇示、過去の歓迎への返礼まで、その狙いを五つの側面から読み解く
米国で進む「未婚化」。18~39歳男性では、未婚者が既婚者のほぼ2倍に達した。なぜ米国人は結婚しなくなったのか