孫毅氏が、自ら書いたSOSの手紙を手にしている。手紙は世界中を巡り、孫毅の元に届いた。(Courtesy Flying Cloud Productions)

安さの代償 中国製品の裏に潜む強制労働

2012年、米オレゴン州の女性がKマートで購入したハロウィーンの装飾品の箱を開けたところ、中から一枚の紙切れが現れた。たどたどしい英語で書かれたその手紙には、こう記されていた。もしあなたがこの製品をたまたま購入したのなら、どうかこの手紙を世界人権機構に転送してください。そこには、長時間労働、暴力、そして過酷な中国の労働収容所での実態が綴られていた。

この手紙を書いたのは、孫毅(スン・イー)というエンジニアであり、夫でもある男性だった。孫さんは、中国共産党により非合法とされた精神修養法「法輪功」の修煉を理由に投獄されていた。

私はこの物語を、ドキュメンタリー映画『馬三家からの手紙』で伝えた。今でも彼の穏やかで静かな表情を覚えている。その内面には、鋼のような確固たる意志があった。彼の書く一行一行には、恐怖と希望が交錯していた。孫さんは、その手紙を外部に出すことで自らの命を危険にさらした。自分が永遠に自由になれないかもしれないと知りながらも、彼は真実を知れば、人々は関心を持ってくれる、どこかの誰かが、きっと行動してくれると信じていた。

▶ 続きを読む
関連記事
ワクチンに反対しておらず、安全性を高めたり、成分や副作用をしっかり調べることを呼びかけマッカーシーさんは反ワクチン派と呼ばれ、攻撃を受けた。しかし米CDCの調査により彼女の主張が正しかったことがわかった。
昭恵夫人が公判で語った吉田松陰の言葉を軸に、安倍晋三元首相の「志」を読み解く。悲しみを超え、拉致問題解決への意志や「公」の精神を次世代へ繋ぐ。私的な感情から公の再生へと向かう時代のうねりを考察する
高市総理は臨時国会閉会後の会見で、松下幸之助の教え「素志貫徹」を引用し、困難を乗り越える決意を表明。物価高対策や補正予算、防衛強化、危機管理投資を推進し、国民生活を守る姿勢を示し、中国との対話も継続する方針を強調
中国共産党が日本に本当に求めている事とは、さらなる謝罪ではない。ほぼ1世紀後になって、日本の選挙で選ばれた指導者が、地面にひれ伏すほどの屈辱を受け、中国共産党の独裁的要求に従う姿を見せることだ
空母「遼寧」の宮古海峡通過後、中共軍のJ-15戦闘機が航空自衛隊のF-15を沖縄南東空域で2度レーダーロックオ […]