アリゾナ州の太陽光発電所(Brandon Bell/Getty Images)

再エネの罠 盲目的に持続可能性を追求する国々への警告

世界が再生可能エネルギーへと急速にシフトする中で、各国が「再生可能エネルギーの罠」に陥るリスクが高まっている。この罠とは、経済・環境・地政学的な影響を十分に理解しないままエネルギー転換を進めることで生じる問題を指す。

風力、太陽光、水力といった再生可能エネルギーは、長らく地球の未来を救う存在として称賛されてきた。しかし、戦略を欠いたままこうした技術に飛びついた国々は、経済や安全保障面で深刻な課題に直面する可能性がある。少なくとも現時点の技術水準では、再生可能エネルギーに盲目的に依存することは「万能薬」ではなく、むしろ経済破綻への近道となり得るのだ。

再生可能エネルギーは「クリーン」「環境に優しい」「無限」といったイメージで語られがちである。しかしこの美しい物語の裏には、見過ごされがちなコストやリスクが潜んでいる。しばしば誇張された主張や不完全な会計処理によって、こうした問題は覆い隠されているのが実情だ。

▶ 続きを読む
関連記事
習近平の訪米に合わせ、ワシントンで中国の民主活動家や香港人、台湾人、チベット人、ウイグル人らが大規模な抗議を実施。若い世代の参加や団体間の連携、越境弾圧への反発など、海外抗議運動の変化を読み解く
国家は永遠ではなくとも、先人から受け継いだ伝統文化や祈りを次代へ手渡す責務は残る。東西の古典や思想を手がかりに、国家崇拝や排外主義に陥らない健全な祖国愛のあり方と、私たちが果たすべき務めを静かに問い直す論考
米中首脳の公式晩餐会には米国の著名経営者が出席した一方、公表名簿に中国企業の経営者は見当たらなかった。筆者は米中対立や党の統制、経営者を取り巻くリスクから、その背景を読み解く
米中首脳会談後、双方が公表した文書には関税やAIを巡る説明に違いが残った。米側だけが記した事項もあり、台湾問題については双方とも言及していない
米中首脳会談で延長の「貿易休戦」。だが、レアアース問題は解決していない。米欧が供給網を再構築するまで数年を要する一方、北京はなお輸出管理を交渉材料にできる。2027年1月10日までの「時間」をめぐる競争が始まった