ラベンダーは見た目が美しいだけでなく、花や葉を料理やお茶、入浴剤、香料づくりなどにも活用でき、さらには天然の虫除けとしても使える多用途な植物です。専門家によると、適した環境に植えれば、1メートル以上に育ち、手間もあまりかかりません。では、どこに植えるのが最適なのでしょうか?
住宅生活情報サイト「House Digest」によると、ラベンダーは多年草で、適した場所に植えれば、初夏から秋にかけて花を咲かせ続けます。
現在知られているラベンダーの種類は45種以上あり、それぞれに合った育て方があります。一般的には、適した土と十分な日光があれば、地植えでも育てられ、ほとんど手入れをしなくても高さ約1.2m、幅約0.6mまで成長します。
もし地植えに向いた場所がない場合は、鉢などのコンテナで育てるのも良い方法です。コンテナなら環境を調整しやすくなります。
ラベンダーは地中海地域原産の植物で、日当たりが良く、肥沃で水はけの良い、中性からアルカリ性の温暖な土壌を好みます。そのため、地植えでもコンテナでも、毎日最低6時間は直射日光に当て、土に有機物をたっぷり含ませ、水のやりすぎを避けつつ、土壌のpHが酸性に傾きすぎないよう管理することが大切です。
コンテナ栽培のメリット
アパートなどに住んでいて庭がない場合は、ラベンダーを鉢などのコンテナで育てるのが一般的です。コンテナは地面より排水性が高く、ラベンダーにとって好ましい環境です。必ず排水穴のある鉢を使いましょう。根が湿った状態が続くと、腐ってしまう恐れがあります。
ラベンダーを料理や石けん作り、ハーブ療法などに使いたいときにも、コンテナ栽培が第一の選択肢になります。というのも、庭の土には口に入れたくない物質が含まれている可能性があるからです。食用にする植物を育てる場合は、事前に土壌の汚染物質の検査を行うことをおすすめします。
頭状ラベンダー(Lavandula stoechas、別名スペインラベンダー)は最大でも約22.9cmほどにしか育たず、イングリッシュラベンダー(Lavandula angustifolia)にも矮性品種があります。これらは地植えよりもコンテナ栽培に向いています。まずはコンテナで育てて、十分に成熟したら地植えに移すことも可能です。

地植えのメリット
地植えの一番のメリットは、条件さえ合えば、ほとんど手がかからないことです。コンテナと違って、地植えではラベンダーが大きくなりすぎる心配もありません。ラベンダーは乾燥に強く、手間をかけたくない人や、夏場に長く家を留守にする場合でも、水やりの回数が少なくて済みます。
冬でも、地植えのラベンダーはコンテナ栽培よりも寒さから守られやすくなります。地中の温度が安定して保たれるため、冬越しもしやすいのです。一方コンテナの場合は、冬の間は乾燥した車庫など屋内に移す必要があります。
ラベンダーの手入れ方法
ラベンダーは一度植えれば、あまり手間がかからない植物です。とても乾燥に強く、他の園芸植物のように頻繁な水やりは必要ありません。植え付けた最初の1年は、2~3週間に1回水を与え、開花後は週に1~2回、秋まで続けて水やりをします。ただし、水をやりすぎると根腐れを起こすので注意が必要です。
種から育てる場合、苗が約7.6cmほどに成長したタイミングで植え替えますが、そこまで育つのに数か月かかることもあります。その後は毎年数センチずつ成長し、植え替えから2~3年で花を咲かせることもあります。
ラベンダーの形を整えて健康に育てるためには、適切なタイミングでの剪定が大切です。丸いドーム状に剪定すると、植物の成長によい影響を与えます。まずは枯れた花を切り落とし、茎の長さの約3分の1をカットします。
矮性品種の場合は、茎の色が変わった部分の約5.1〜7.6cm上で切りましょう。木質化している部分まで切りすぎると、そこからは再生できないので注意が必要です。剪定は2年目から始めて、年に1〜2回行うとよいでしょう。
園芸専門家マイケル・グリフィス氏(YouTubeチャンネル「The Mediterranean Gardener」運営)によると、ラベンダーは正しく剪定することで、より多くの花を咲かせることができるそうです。
グリフィス氏は「春に剪定すると開花が少し遅れることもありますが、結果的に形のよい株に育ち、長く楽しめます」と話しています。
肥料については、ラベンダーはあまり必要としません。与えすぎると逆に成長を妨げることがあります。土壌が痩せていると感じたときだけ、窒素分の少ない肥料を使うと、花付きが良くなります。
(翻訳編集 里見雨禾)
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