中国共産党総書記の江沢民(後列、左から2番目)と日本首相の宮沢喜一(後列中央)が見守る中。(写真:カズヒロ・ノギ / AFP) (Photo by KAZUHIRO NOGI/AFP via Getty Images)

歴史は繰り返す? 天安門事件後に江沢民を国賓招聘した日本 その後

1989年6月4日、中国・北京の天安門広場で、民主化を求める学生や市民による大規模なデモが発生した。数週間にわたる抗議活動は、中国共産党(中共)政権の武力鎮圧により終結。死傷者数は1989年6月5日付の極秘公電で、当時のアラン・ドナルド駐中国英国大使が、中国軍による殺害の犠牲者は少なくとも1万人に上ると報告しているが、中共政権から公式な数字は公表されていない。

この事件は国際社会から強い批判を招き、欧米諸国は中共政権に対し経済制裁や外交的圧力を課した。一方、日本は比較的早期に中国との関係修復を優先した。1990年に円借款を再開し、1992年には中共党首(当時)江沢民の訪日を国賓として受け入れた。

江沢民は1989年の天安門事件後、同年6月に中国共産党総書記に就任し、1993年に国家主席に選出された。当時の最高指導者だった鄧小平が天安門事件での民主化運動の武力鎮圧を主導し、江沢民は上海市党委書記としてその方針を支持したことが選出の一因となった。

▶ 続きを読む
関連記事
アメリカ国内だけでも100万エーカーを超える農地に太陽光発電所が急ピッチに設置され、さらに世界中でも数えきれないほどの施設が作られているが、配備計画、既存の電力網との機能連携、最終的な廃止と処分といった長期的な計画が比較的不足しているように見える
習近平は実質的な権力をすでに失っている。権力を守ろうとした彼の試みは挫折し、人民解放軍(PLA)の指揮系統外で「秘密の軍隊」を創設した試みも潰された
「平等」という漠然とした目標を達成するための善意の人種差別も、結局は人種差別である。「抑圧者」グループや「被害者」グループに属するかどうかによって法的権利や義務を定義することはマルクス主義的である。マルクス主義は個人の尊厳と価値を否定し、常に戦争状態にあるグループに執着する。
中共空母「福建号」引き渡し式の規模縮小や報道遅延の理由は、新技術の不安や動力・艦載機の弱点が影響しているため
日本の潜水艦は隠れる場所がなくなるのか? 最近、中共が発表した量子レーダーおよびAIを利用した潜水艦探知技術は日米の潜水艦やステルス航空機の作戦上の優位性を奪うように聞こえるが、真実はいかに。