フランス・パリのベルサイユ宮殿と庭(Shutterstock)
虚構が作る歴史『ベルサイユのばら』と歪められた日本人の革命イメージ

第2回:「レディ・オスカル」の同性愛的転覆と歴史の歪曲――旧体制と女性像の真実

漫画『ベルサイユのばら』の映画版は、昨年(2024年)の秋に公開された。原作の漫画は池田理代子氏によって描かれたものであり、「少女漫画」あるいは「恋愛小説」と呼ばれるジャンルに属している。本記事はこの映画、そして原作漫画について論じる全5回シリーズの第2回目の記事である。

本作の核心的な問題点は、「レディ・オスカル」が男性と瓜二つの女性として、作品内で女王の近衛隊長を務めている点にある。

もちろん、実在の人物ではなく、本来ありえないこの設定には、同性愛者の転覆的な運動への誘惑が潜んでいる。オスカルは女性でありながら男性になりきり、自身の女性らしさを忘れようとするが、結果的にどこかで女性らしさに立ち戻る運命にある。

▶ 続きを読む
関連記事
中東は「敵か味方か」だけでは語れない、複雑な利害が絡む場所。2026年、米国が仕掛けた「二重封鎖」という新戦略が、イランや中国の計算をどう狂わせるのか。平和を揺るがす「急所」の正体を分かりやすく解説
ホワイトハウス記者夕食会で起きた暗殺未遂事件は、我々にとっての「清算の瞬間」だったのではないだろうか
トランプ政権下の対イラン戦略を、歴史学者のV.D.ハンソンが鋭く分析。窮地に立つイランに残された3つの選択肢とは何か。軍事・経済の両面から、レジーム・チェンジを見据えた米国の「締め付け」の真意を読み解く
イラン戦争の長期化を受け、湾岸諸国やアジアの同盟国が米国に通貨スワップを要請した。経済不安やドル不足への懸念が広がる中、この動きが「ドルの覇権」や各国の金融安定にどう影響するか、専門家の分析を交え解説する
トランプ政権が敵対的政権の金融センターを標的に定めたことで、中国に対する米国の「戦略的曖昧さ」の時代は終焉を迎えた