タイは貿易交渉でアメリカに多方面の譲歩を行い、その結果としてトランプ大統領がタイ産品への輸入関税を引き下げた。写真はカリフォルニア州ロングビーチ港(Mark Ralston/AFP)。

トランプ関税19%へ大幅引き下げ その裏でタイが差し出した譲歩とは?

トランプ米大統領の決定により、米国はタイ産品への関税を36%から19%へ大幅に引き下げた。。今回の措置は、非関税障壁の緩和や米企業への投資優遇措置を含むタイ側の幅広い譲歩、さらにタイとカンボジア間での停戦合意を受けたもの。新たな米タイ貿易協定の内容と今後の影響を詳しく解説する。

タイとカンボジアが国境での戦闘を停止したのを受け、米国は両国とそれぞれ貿易協定を締結。これに伴い、タイ産品への関税は従来の36%から19%へと大幅に引き下げられた。交渉の過程で、タイ政府は非関税障壁の緩和や投資優遇措置などを含む譲歩内容をまとめたリストを公表している。

リストには、中国製品がタイ経由で米国に流入することを防ぐための厳格な原産地規則の実施も含まれている。これらの譲歩によって、トランプ氏はタイへの関税を19%に引き下げることに同意した。米国は8月1日より、タイからの輸入品に対し新たに19%の関税を課している。

▶ 続きを読む
関連記事
トランプ大統領は11月27日、関税政策で得た巨額収入により今後数年で所得税を大幅削減、または完全廃止する可能性を示唆した
トランプ政権は国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づき導入したブラジル産牛肉やコーヒーなどへの40%追加関税を一部撤廃した。
米国と中国の貿易・地政学リスクが高まる中、テスラは米国内生産EVで中国製部品を全面排除へ。GMも同様の動き。
トランプ大統領が提案した2000ドル配当について、財務長官ベセント氏は税制優遇で実現する可能性を示唆した。
トランプ大統領は関税収入による国民への配当小切手を強調し、最高裁が世界的な関税を認める判断を下すことを期待している。