危険信号を察知? 香港大富豪・李嘉誠氏が中国資産の売却を加速させる
香港の大富豪・李嘉誠氏は現在、中国本土および香港に保有していた資産を大規模に売却し、その資金をヨーロッパのエネルギー、インフラ、公益事業へ積極的に投資している。この動きは世間の注目を集めており、中国の時事誌『南風窗』(8月13日号)は「李嘉誠は危険を嗅ぎ取った」と指摘し、中国での資産売却が加速していると伝えている。
李嘉誠氏が中国資産を売却するたびに、世論は二つに分かれる。一方では、これは純粋に商業的な判断であり、市場環境を見据えた投資家として当然の行動だと捉える人々がいる。しかし他方では、こうした動きは並の資産調整とは異なる不穏なシグナルを放っており、その背後には何らかの重大な不確実性が隠されているのではないかと見る向きも少なくない。
では、なぜ今になって李嘉誠氏が急いで「逃げ出す」必要があるのか。その理由を理解するためには、彼がかつて中国本土で成功を収めたビジネスモデルを振り返る必要がある。それは、「土地を安く仕入れ、長期保有する」という戦略である。
関連記事
中共が誇示してきた「一帯一路」は行き詰まりを見せており、世界の少なくとも14か国で労働者への賃金未払いが発生していると指摘されている。
キヤノンは、中国・広東省中山市にあるプリンター工場を事実上閉鎖した。日中関係が急速に冷え込む中、同工場の生産停止は中国からの生産移転と戦略的撤退の象徴として受け止められている
中国経済の悪化が続く中、多くの若者が失業や低賃金に苦しみ、親の援助に頼って生活している
かつては国際資本の非常に人気のある投資先であった中国市場は、現在では高リスクの環境とみなされている。
中国共産党のマネーロンダリングは、麻薬カルテルを助けるだけではない。世界的な違法経済を拡大し、北京の地政学的野望を後押ししている。