椎茸とじゃがいもの豚肉煮込みで、胃腸をいたわり元気をチャージ
立秋は、夏の湿気が体に残りつつ、乾燥もじわじわ始まる季節です。のどの渇きや食欲の落ち込み、なんとなく力が出ない――そんなときこそ、「脾胃を温めて補う」食事、温かい煮込み料理が体をやさしく支えてくれます。
椎茸とじゃがいも、豚肉の組み合わせは、秋の養生にぴったりの取り合わせです。
豚肉――潤いを与え、虚を補い血を養う
秋の乾燥は肺や体内の津液を傷めやすい時期です。豚肉は平性で甘みに属し、潤いを与え、気血を補ってくれる食材です。肌の乾燥や便秘、心の不安や眠りの浅さを和らげ、夏から初秋にかけて消耗した気血を取り戻す助けとなります。
じゃがいも――脾を整え、力を養う
じゃがいもは甘く平性で、脾胃の働きを助け、気力を補ってくれます。現代栄養学では、冷ましたじゃがいもには「レジスタントスターチ(難消化性でんぷん)」が生成されます。これは小腸では消化されず、大腸で発酵して短鎖脂肪酸をつくり出し、腸内環境を整え、便通を助けてくれるのです。脾胃の弱りやすい人、お腹が張りやすい人、便秘や気分の不安定、眠りの質が悪い人におすすめです。主食代わりにもなり、胃にやさしいのが魅力です。
椎茸――気を補い、五臓を調える
椎茸は脾胃に入り、気を補って消化を助けます。多糖類や微量のミネラル成分が含み、免疫力を高める効果も期待されます。秋は湿気で脾が弱りやすい時期ですが、椎茸は脾胃の働きを健やかにし、気の巡りを良くし、全身のバランスを整える役割を果たします。
煮込み――脾胃を温め、陰を養う
じっくりと煮込むことで、食材の栄養が引き出され、脾胃にやさしく吸収されます。秋は乾燥や冷えを避けたい季節。揚げ物は体をさらに乾かし、負担になりますが、煮込み料理なら温かく穏やかに体を支え、季節の養生にぴったりです。
煮込みレシピ
材料(2人分)
- 豚肉 …… 200g
- 椎茸 …… 4〜5枚
- じゃがいも …… 1個(約200g)
- 生姜 …… 3枚
- ねぎ …… 適量
- 醤油 …… 大さじ1
- 料理酒 …… 大さじ1
- 塩 …… 少々
作り方
- 豚肉は一口大に切り、料理酒と生姜で下味をつける。
- 椎茸は食べやすい大きさに切り、じゃがいもは皮をむいて乱切りにする。
- 鍋に生姜を入れて香りを出し、豚肉を入れて表面が色づくまで炒める。
- 椎茸とじゃがいもを加え、食材がかぶる程度の水を入れる。ねぎと醤油をえ、強火で煮立てたら弱火にし、30分煮込む。
- 最後に塩で味を調え、好みでねぎを散らす。
効能
この煮込み料理は、気血を補い、脾胃を健やかにし、さらに潤いを与えて乾きを和らげる効果があります。秋に起こりやすい「脾が弱って食欲がない」「体力が落ちている」「のどや口が乾く」といった不調にぴったりです。味わいは、やさしく体を温めてくれる一方で、余計な熱をこもらせたり、油っこくもないので、どなたにでも取り入れやすい家庭の養生料理です。