私は人生のほとんどの時間、退屈しやすい人間でした。高校時代にその退屈感は強まり、大学時代、そして社会人としてのキャリア初期にかけて、どんどん悪化していきました。
退屈していても、ある程度頭の回転が良かったため、最小限の努力でやり過ごすことができ、常に新しいものを追い求め、楽しげで冒険好きな人物を演じていました。
しかし、そうした生き方の問題は、退屈しやすい人間にとって十分な刺激は決して存在しないということです。いずれは雑事をこなし、責任を果たさなければならず、そのときに憂うつが襲ってきます。
退屈しやすい人ほど、「普通のこと」をするのを嫌うようになります。退屈を感じさせるものすべてを嫌悪し、次のドーパミンを求めてエネルギーを費やし、やりたくない退屈なことを避けようとします。
私は完全に退屈をなくしたわけではありませんが、やる気を根こそぎ奪うような慢性的な退屈感に対しては、大きな前進を遂げました。今の私が直面する戦いは、多くの場合「薬を飲み忘れる」ことから始まります。
実際のところ、退屈に対する解毒剤は驚くほど効果があります。そのルールに従って生活すれば退屈感は収まり、従わなければまた顔を出します。私が自分のアドバイスに従えない理由は、多くの人に共通するものです――最初の数歩が難しいのです。改善する前に、少し悪化するように感じることもあります。
退屈に効く2つの解毒剤
退屈への対処法は、スリルや便利さを追い求めるのをやめ、長続きする喜びをもたらす挑戦的な活動を始めることです。
この一文には多くが詰まっているので、2つの実践的な提案に分けて説明します。
1. 安易なドーパミンへの依存を断ち切る
現代生活を魅力的にしながらも依存を生みやすいスリルや便利さを追いかけるのをやめましょう。脳内で快楽や期待と結びつく化学伝達物質であるドーパミンの「即効的な一撃」は、食生活におけるジャンクフードやデザートのようなものです。少量なら生活に変化を与え、気分を一瞬高めてくれます。しかし、摂れば摂るほど体はそれを欲しがるようになり、やがては、ある程度摂らないと幸せを感じにくくなります。
退屈しやすい人は、ついスマートフォンやお菓子、手軽な気晴らしに手を伸ばしてしまいます。それは間違いなく一時的には退屈をまぎらわせ、気分を良くしてくれます。しかし問題は、退屈を感じるたびにその快適さを期待するように、脳が作り変えられてしまい、やがて何も面白くなくなるということです。安っぽくて手早い気晴らしに勝てるものがなくなるのです。こうした一時的な解決策は「かゆみをかく」ように作用し、脳はそのことだけを強く記憶します。
このサイクルに陥っているなら、まずおすすめしたいのは、自分が依存している快楽からしばらく距離を置くことです。1か月間やめて、少しずつ計画的に再導入してください。重要なルールは「いつでも手に取れる状態にしてはいけない」ということです。これは、職場の机にオレオ(クッキー)を置いておくようなものです。
2. 別の喜びの源を見つける
次にお伝えすることは直感に反するように聞こえるかもしれませんが、信じてください。退屈に対する長期的な対処法は、自分に挑戦を与える活動に取り組むことです――一定の努力をして初めて快楽を得られるようなものです。
退屈を感じ、普段ならスマートフォンに手を伸ばすようなときは、自分をいったん止めて、もっと挑戦的なことを選びましょう。最初は不自然に思えるかもしれませんが、続けていくうちに、脳は「すぐに結果を期待しない」ように回路が変わっていきます。冷水シャワー、汗をかく運動、集中して本を読むなど、一見「苦痛」に思える活動が、やがては心が求めるものになります。なぜなら、その後に得られる気分の良さを脳が学ぶからです。
この2つの実践的な変化――安っぽいスリルへの依存を断ち切り、代わりに困難なことに取り組むこと――を合わせて行えば、脳の「温度」が下がるようなものです。常に強い刺激を求めて「熱く」なっている状態が和らぎます。そうなれば、普通の喜びや、人生の舞台に立っているという満足感だけでも十分に心地よさを感じられるようになり、結局何も解決しない安易な即効策に頼る誘惑も減っていきます。
本当のポイントは、この方法の最初の数日、あるいは数週間は難しいということを覚えておくことです。脳はまだ「ジャンクフード」の食事を期待しているのに、あなたは「ステーキ」を与えているのです。ステーキの味覚はまだ育っていないので、うまくいっていないと感じるかもしれません。しかし時間をかけてください。やがて必ず慣れ、退屈の基準値は、より妥当なレベルへと下がっていきます。
(翻訳編集 井田千景)
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