気分が落ち込んでいませんか? この「幸せフルーツ」を食べると改善できます

特定の食品には、ドーパミン、セロトニン、γ-アミノ酪酸(GABA)などの神経伝達物質に影響を与える可能性のある化合物が含まれており、人の気分を整えるのに役立つことがあります。その中には、「幸せフルーツ」と呼ばれるバナナも含まれています。バナナは排便を助けるだけでなく、ストレスや不安を和らげ、気分を前向きにするなど、さまざまな利点があるとされています。
 

「幸せフルーツ」――バナナ

アメリカの健康情報サイト「ヘルスライン」によると、バナナにはビタミンB6が豊富に含まれており、気分を良くする神経伝達物質であるドーパミンやセロトニンの生成を助けます。

熟したバナナ1本(115g)には、糖分18gと食物繊維5.3gが含まれています。糖分と食物繊維を同時に摂取することで、糖が血液中にゆっくりと放出され、血糖値の安定に役立ち、感情のコントロールがしやすくなります。血糖値が低くなりすぎると、イライラや感情の起伏を招くことがあります。

バナナを健康的なたんぱく質や脂肪と組み合わせて食べると、消化・吸収の速度が緩やかになり、血糖値をより安定させることができます。例えば、バナナにピーナッツバターを添えたり、バランスの取れた朝食にバナナを1本加えたりするとよいでしょう。

バナナはプレバイオティクスの優れた供給源でもあり、特にやや未熟で、皮が少し緑色のバナナに多く含まれています。プレバイオティクスとは、腸内の有益な細菌を養う食物繊維の一種です。健康な腸内細菌叢は、気分障害の発生率が低いことと関連しています。

イギリスの栄養士ニシュタ・パテル氏は、『デイリー・ミラー』紙に対して次のように述べています。

「多くの人は、バナナを1本食べると気分がすぐに明るくなることに気づいています。生理学的に見ても、これは十分に理にかなっています。バナナには天然の炭水化物が含まれており、脳にすばやくブドウ糖を供給します。脳はエネルギー源としてブドウ糖に依存しているため、脳内のブドウ糖レベルが低い場合、補給することで数分以内に覚醒度や感情の安定性が改善されることがあります」

バナナには、ビタミンC、抗酸化物質、マンガンなど、免疫系を支えるさまざまな必須栄養素も豊富に含まれています。カリウムとマンガンはいずれも電解質で、筋肉のけいれんを防ぎ、回復を促すことで知られています。そのため、バナナは運動の前後に適したおやつともいえます。

これはバナナの房です。(Shutterstock)
これはバナナです。(Shutterstock)

注意点として、カリウムを過剰に摂取すると、腎臓病のある人や、カリウム値に影響を与える特定の薬を服用している人など、一部の健康状態の人には問題を引き起こす可能性があります。また、熟しすぎたバナナには高濃度のチラミンが含まれることがあり、これが一部の人に頭痛を引き起こす場合があります。そのような場合には、あまり熟していないバナナを選ぶことが勧められます。

「ヘルスライン」によると、気分が落ち込んでいるときには、ベリー類の果物を食べることでも改善が期待できるとされています。ベリー類にはアントシアニンが豊富に含まれているためです。研究では、アントシアニンを多く含む食事が、抑うつ症状の改善と関連していることが示されています。

同サイトでは、気分を整えるのに役立つ可能性のある他の食品についても、以下のように紹介しています。
 

油ののった魚

サーモンやビンナガマグロ(ツナ)などの脂肪分の多い魚には、2種類のオメガ3脂肪酸――ドコサヘキサエン酸(DHA)とエイコサペンタエン酸(EPA)――が含まれています。研究によると、これらの脂肪酸は抑うつレベルの低下と関連しています。また、臨床試験では、魚油に含まれるオメガ3脂肪酸の摂取によって、抑うつの程度が軽減される可能性が示されています。

成人は1日に、EPAとDHAの合計で少なくとも250~500mgを摂取することが推奨されています。調理済みのサーモン100gには、EPAとDHAが1,841mg含まれています。そのため、週に数回サーモンを食べ、マグロやニシンと組み合わせることは、これらの脂肪酸を補う良い方法です。
 

ダークチョコレート

ダークチョコレートは、ポリフェノール、フラボノイド、ビタミン、ミネラル、オレイン酸など、健康に良いとされるさまざまな化合物を含み、気分を整えるのに役立つ可能性があります。

ミルクチョコレートと比べて、ダークチョコレートはフラボノイド含有量が高く、添加糖が少ないのが特徴です。ただしカロリーが高いため、1回につきカカオ含有量70%以上のものを1~2かけら程度にとどめるのが適量です。低糖タイプのダークチョコレートを選ぶのも一案です。

なお、ダークチョコレートには心血管の健康を支え、血圧を下げる作用があることも報告されています。一般に、カカオ含有量70%以上のものがダークチョコレートと呼ばれます。カカオの健康効果を目的とする場合は、含有量の高いものを選ぶとよいでしょう。

ダークチョコレートを食べると心臓を守り、気分も良くなります。(Shutterstock)
ダークチョコレートを食べることで、心臓を守り、良い気分も味わえます。(Shutterstock)

 

コーヒー

コーヒーに含まれるカフェインは、アデノシンと呼ばれる天然化合物が、疲労を引き起こす脳内受容体と結合するのを妨げ、覚醒度や注意力を高めます。また、コーヒーはGABAの放出を促すことで、気分を整える作用もあるとされています。

70人の成人を対象とした研究では、カフェイン入り・カフェインレスのいずれのコーヒーも気分を有意に改善しましたが、カフェイン入りコーヒーの方がその効果はより高いことが分かりました。

ギリシャヨーグルトは、通常のヨーグルトよりもタンパク質含有量が多いです。(Shutterstock)
ギリシャヨーグルトは、一般的なヨーグルトよりもたんぱく質含有量が高いです。(Shutterstock)

 

発酵食品

発酵食品は、腸内環境と気分の改善に役立つ可能性があります。これには、キムチ、ヨーグルト、ケフィア、コンブチャ、ザワークラウトなどが含まれます。

発酵の過程で生成されるプロバイオティクスは、腸内の有益な細菌の増殖を助け、セロトニンレベルを高める可能性があります。腸内細菌叢は脳の健康にとって非常に重要であり、研究では、有益な腸内細菌が多いことが、抑うつ症の発生率の低さと関連していることが示されています。
 

オートミール

オートミールは食物繊維の優れた供給源で、100gあたり10gの食物繊維を含んでいます。閉経後の女性を対象とした研究では、食物繊維の摂取量が多いほど、抑うつ症状の軽減を含む心理的健康の質が高いことが分かりました。

また、オートミールは鉄の良好な供給源でもあり、100gで51歳以上の成人が1日に必要とする鉄分の約54%を補うことができます。鉄欠乏性貧血は最も一般的な栄養欠乏症の一つで、その症状には疲労感、気力の低下、感情の不調などがあります。研究では、高齢者が鉄分不足になると、より強い抑うつ感情が現れる可能性が示されています。

オートミールのイラスト。(Shutterstock)
オートミールのイメージ図です。(Shutterstock)

 

ナッツ類と種子類

ナッツ類や種子類には、植物性たんぱく質、健康的な脂肪、食物繊維が豊富に含まれています。また、気分を高めるセロトニンの生成に関与するアミノ酸であるトリプトファンの供給源でもあります。これらには、アーモンド、カシューナッツ、クルミ、かぼちゃの種、ごま、ひまわりの種などがあります。

ブラジルナッツ、アーモンド、松の実など一部のナッツや種子には、亜鉛やセレンが豊富に含まれています。これらのミネラルは脳機能にとって重要であり、亜鉛やセレンの欠乏は、抑うつ症の発生率の高さと関連しています。
 

豆類とレンズ豆

豆類やレンズ豆には、食物繊維、植物性たんぱく質、ビタミンB群が豊富に含まれています。ビタミンB群は、セロトニン、ドーパミン、GABAなど、気分を調整する重要な神経伝達物質の産生を助けることで、気分の改善に寄与します。

ビタミンB群の不足――特にビタミンB12、B6、葉酸(ビタミンB9)――は、抑うつ症などの気分障害と関連していることが分かっています。

(翻訳編集 解問)

陳俊村