頼清徳氏 台湾併吞ならフィリピン・日本が次の標的と警告
中華民国の頼清徳総統が2024年5月の就任後、初めて国際通信社(日本の企業)の単独インタビューに応じた。頼氏は、台湾は国防力と経済の強靭性を継続的に強化し、同盟国と連携して抑止力を高める必要があると強調した。中国共産党(中共)が台湾を奪取した場合、日本やフィリピンなど他の国々も次の標的になり得るとの認識を示した。
頼清徳氏は2月12日、AFP通信に応じ、台湾は防衛能力を大幅に強化する必要があると強調した。インタビューは「台湾総統が警告、台湾が中共に併吞されれば他国が次の標的に」と題して報じられた。
11日、頼氏は記者会見を開き、台湾の国防戦略について説明した。
頼氏は、「台湾が国防を強化するのは、いかなる国を侵略するためでもない。私たちはただ当たり前にある日常を守りたいだけだ。実力があってこそ真の平和を確保できる。戦いに備えるからこそ戦いを避けることができ、戦う力があるからこそ戦いを止めることができる」と指摘した。
中共が2027年までに台湾侵攻の能力を備えるとの見方については、頼氏は「いついかなる時も、我々には中共の侵略を阻止する能力がなければならない。つまり、中共にとってどの日も台湾侵略の好機ではないと思わせること。そうしてこそ、はじめて台湾の安全とインド太平洋の平和と安定を確保できるのだ」と考えている。その柱として、8年間で総額約400億ドルの国防特別予算を挙げた。
また、中共軍内部の変動が侵攻リスクを高める可能性については、完全に台湾の国防力に左右されるとの認識を示した。同盟諸国と中共に対する抑止力を発揮できるかどうかが根本的な鍵になると指摘した。
8年間にわたり総額約400億ドルを投じる「国防特別予算条例」は現在も立法院で足止めされており、草案はいまだ委員会での審査にも付されていない。頼氏は2月11日の記者会見で「平和はかけがえのないもので、戦争に勝者はいない」と述べ、「台湾が国防を強化するのは、いかなる国を侵略するためでもない。私たちはただ当たり前にある日常を守りたいだけだ。私たちは平和に理想を持つことはできるが、幻想を抱くべきではない」と強調した。
頼氏は、日本や韓国、フィリピンなども防衛費を増やしていることに触れた。予算の成立が遅れれば、台湾が武器売却の優先リストから外れ、重要な装備の引き渡しが遅れるだけでなく、台湾が自らを守る決意があるのか国際社会から疑問視されると警告した。
同氏は、「地域情勢が複雑化している中、中国(中共)の脅威が深刻さを増している。この国防予算を成立させなければならない。これは台湾の決意であり、国際社会に対する責任を果たすことでもある」と述べた。与野党に対し、旧正月後の開会とともに直ちに実質的な審議に入り、国防特別条例を速やかに通過させるよう呼びかけた。
顧立雄国防部長は、「切実に必要とされている能力構築にリソースを集中させる。台湾がインド太平洋の集体的抑止力の隙になることは望まない」と述べた。
一方、アメリカでも台湾支援の動きが強まっている。米連邦下院は2月9日、「台湾保護法案」を圧倒的多数で可決した。法案は、台湾が中共の行動によって脅威を受けた場合、中共代表を国際金融体制から排除することなどを求めている。
2月11日から日米共同訓練「アイアン・フィスト」が沖縄など19か所で実施される。規模は過去最大、参加人数と強度も過去最高を記録。米軍は約5千人、日本は海自・陸自約2千人を動員。双方が最前線の戦闘員を投入する最も実戦に近い形式となり、日米共同水陸両用作戦能力と沖縄諸島防衛能力の強化を図るとしている。
米軍事紙「スターズ・アンド・ストライプス」は、今回の共同訓練は明確に中共を対象としたものであり、中共が台湾海峡で軍事的な威嚇を行った際、日米の「アイアン・フィスト」が中共軍に痛撃を与えることになると報じている。
日本では衆院選で高市首相が記録的な大勝を収めた。高市氏は安倍晋三元首相のインド太平洋戦略を継承するとみられている。専門家から、対中共強硬姿勢と防衛費増額の公約は、外部の脅威を懸念する日本国民の思いに合致するだけでなく、日米同盟の戦略とも高度に一致するとの見方が出ている。
専門家は、日本の防衛強化と日米同盟の深化により、第1列島線とインド太平洋地域の安全保障は一層強化されるとの見解を示している。
台湾国立師範大学の林賢参教授は「第一列島線とインド太平洋の状況は、よくなるだけだ。悪くなることはない。各国が第一列島線を重視している以上、その中心にある台湾を重視しないはずがあるのか」と述べた。