『詩経』には「執子之手、与子偕老(その手を取り、共に老いゆこう)」と詠まれており、愛は古来より色あせることのない理想として語り継がれてきました。(Shutterstock)

幸せな結婚生活を支える道――陰陽の調和、琴瑟相和す

現代社会では離婚率の高さがしばしば問題視され、人々はこぞって「幸せな結婚生活の秘訣」を探し求め続けています。しかし、先人はすでに手本となる答えを示してくれました。それが「陰陽の調和」や「琴瑟相和す」という夫婦のあり方です。互いに思いやりを持ち、それぞれの役割を尊重してこそ、家庭は安定し、幸せが育まれます。

 

古来、「琴瑟相和す」という言葉は、夫婦関係の円満をたたえるたとえとして用いられてきました。伝えられるところによれば、上古の帝・伏羲が琴と瑟という二つの弦楽器を創り出したとされています。いずれも桐の木で作られ、琴は上面が弧を描いて天を象徴し、底面は平らで地を表します。いわゆる「天円地方」の思想そのものです。一方、瑟は長方形で、弦は平らに張られています。

琴は七弦、瑟は古くは五十弦、現在では二十五弦が一般的です。唐代の詩人・李商隠は「錦瑟端無くも五十弦、一弦一柱華年を思う」と詠み、その音色に歳月への思いを託しました。

 

形も構造も異なる琴と瑟ですが、合奏すれば見事に調和し、美しい響きを生み出します。このことから後世では、「琴瑟相和す」は夫婦の愛が深く、心が通い合っていることを指す言葉となりました。

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