中共の官製メディアは、イラン国営放送の報道内容と語調を引用する形でハメネイ師の死亡を伝えた(AFP)

ハメネイ師斬首 中南海に衝撃

2月28日、イランの最高指導者ハメネイ師が、アメリカとイスラエルによる合同軍事作戦で死亡した。中国共産党(中共)の官製メディアは、イラン国営放送の報道内容と語調を引用する形でハメネイ師の死亡を伝えた。専門家は、ハメネイ師の「斬首」が中共に大きな衝撃を与えていると指摘した。

ネット上で拡散した動画では、ハメネイ師の死亡を受け、イラン各地で市民が歓声を上げ、街頭で祝う様子や、ハメネイ師の像を倒す場面を確認している。

中国本土のSNSでも、ハメネイ師が空爆で死亡したとの情報が急速に拡散し、「マドゥロ、ハメネイの次は誰だ」といった投稿が相次いだ。

一方、中共官製メディアは3月1日、ハメネイ師の死亡を報じる際、追悼期間に言及するとともにその経歴を紹介した。

台湾国防安全研究院の沈明室研究員は「神権体制の指導者の死、あるいは革命防衛隊の複数の高級将官の死去は、イラン国民が政権転覆に向けて立ち上がる動きを後押しする可能性がある」と述べた。「政権交代が起きれば、中東情勢や世界全体に大きな影響が及ぶだろう」と指摘した。

また沈氏は、「これら過激派組織はイランの支援を失えば、最終的に消滅するか、路線転換を迫られる。それは中東の平和と安定にプラスの影響をもたらす」との見方を示した。

ハメネイ師は中共から「古い友人」と呼ばれていた。イランは中共の「一帯一路」構想における重要拠点であるだけでなく、石油輸出の90%以上は中国向けである。専門家は、今回のハメネイ師の斬首は、イランよりもむしろその後ろ盾である中共に対する打撃が大きいと分析している。

アメリカ在住の政治評論家、陳破空氏は「現在、トランプ政権とアメリカ軍の矛先はまだ中南海、習近平や(中国)共産党に向いてはいないが、世界各地に張り巡らされた中共の影響力を断ち切る動きになっている」と述べた。

また、「イランは中共にとって最大の原油供給源だ。(中共は)制裁をかいくぐって石油輸入を続けることでイラン政権を財政面で支えてきた。一方でイランの石油輸出は中共経済の命脈を保っているとも言える。もしアメリカの打撃下、イランが最終的にアメリカの影響下に入れば、中共の経済的命脈もアメリカに握られることになる。これは習近平の一帯一路構想にも打撃となる」と分析している。

また、「中共への打撃は計り知れないほどだ」と語った。

沈明室氏はさらに、「ロシア・ウクライナ戦争、中東の紛争、インド太平洋地域の安全保障は相互に連動している」と指摘した。

「イラン問題が解決されれば、アメリカはプーチン氏に和平合意を迫る圧力を強めるだろう。その後、トランプ氏は任期残り2年を通じ、対中対応に注力し、中国の政権交代や革命を促すか、少なくとも習近平の連任を阻止し、インド太平洋の情勢を安定させるだろう」と指摘した。

専門家はまた、ハメネイ師の死亡が今月開催予定の米中首脳会談にも直接影響すると分析する。

沈明室研究員は「アメリカとイスラエルの対イラン攻撃で指導部が一掃され、政権交代まで進むことになれば、習近平の交渉カードはますます減少する。一方、トランプ氏は、アメリカの圧倒的な軍事優位性や、中国がイランに提供した防空システムが全く機能しなかった点を踏まえ、中国共産党政権に対してより多くの交渉材料を持って圧力をかけることができる」と述べた。

「またトランプ氏は、習近平に対し『台湾に武力行使をするな』と警告するだろう。アメリカとイスラエルによるイラン攻撃後、その警告の効果はより強まる」と指摘した。

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