長射程ミサイル配備へ 中共の脅威への対応強化
3月9日、日本初の国産の長射程ミサイルの発射装置を陸上自衛隊の駐屯地に搬入した。専門家の間では、中国共産党(中共)による安全保障上の脅威に対応するため、日本が踏み出した重要な一歩との見方が広がっている。
近年、中共は台湾周辺での軍事活動を一段と活発化させており、圧力も強まっている。日本や台湾、フィリピンなどはこれを深刻な安全保障上の脅威とみて、政府も防衛力強化の動きを加速している。新たなミサイル基地の整備やミサイル生産の拡大などを進め、抑止力の向上を図る狙いがある。
木原稔官房長官は、射程を延ばした「12式地対艦誘導弾能力向上型」について、3月末までに熊本市の陸自健軍駐屯地へ配備する予定だとした。ただし、具体的な配備数や詳細な配置については言及しなかった。
このミサイルは三菱重工業が開発したもので、従来型と比べて射程が大幅に延長した。旧型の射程はおよそ200kmだったが、能力向上型では約1千kmにまで拡大した。九州から発射した場合、中国沿岸部の広い範囲を射程に収め、上海などの主要都市も理論上は射程内に入る。
配備作業はすでに始まっている。3月7日には、ミサイル発射装置と関連装備が静岡県の陸自富士駐屯地から搬出され、8日夜には北九州市の新門司港に到着。その後、熊本県の健軍駐屯地へ輸送された。
現在、日本は沖縄本島や石垣島、宮古島などにパトリオット防空ミサイルや中距離地対空ミサイルを配備し、西南方面の防空能力の強化を進めている。
小泉進次郎防衛相は今年2月、日本が2031年3月までに最西端の与那国島へ中距離地対空ミサイルを配備する計画を明らかにした。与那国島は台湾東部に近い位置にあるため、この計画は国際的にも注目を集めている。
高市早苗首相もこれまで、中共が台湾に対して軍事行動を取れば、それは台湾だけの問題ではなく、日本の安全保障にも影響すると指摘してきた。そのため、日本は事前に十分な軍事的備えを整える必要がある。こうした認識は、安倍晋三元首相が提起した「台湾有事は日本有事」との考え方を引き継ぐものとみられる。
さらに高市氏は、2026年末までに「国家安全保障戦略」など安保関連3文書の見直しを行う方針も示している。無人戦闘機や長射程ミサイルの開発などを通じて、防衛力のさらなる強化を図るとしている。
また、自民党と維新の会は、殺傷武器の輸出規制を緩和する新たな法案を提出する方針で、今後数週間以内に国会での審議入りを目指している。日本の防衛産業の発展を促すとともに、同盟国との安全保障協力を強化する狙いがある。