日本メディアの記者が、ベネズエラが大量に導入した中国製武器システムが事実上役に立たなかった理由を質問すると、中国外交部の林剣報道官は的外れな答弁に終始した。(動画スクリーンショット)

なぜ中国は今「慰安婦問題」を蒸し返すのか? 真の狙いは「沖縄の乗っ取り」か

2026年3月11日の中国外交部記者会見において、郭嘉昆報道官は中東情勢における米国の行動を批判し、さらに「慰安婦問題」を国連人権理事会と連動させて再燃させる発言を行った。また、米国の韓国への「THAAD(高高度防衛ミサイル)配備」にも強く反対し、米軍の存在を牽制した。日本はこれを、単なる定例の外交アピールや過去の歴史批判として聞き流してはならない。

中国共産党(中共)政権のこうした動きを放置すれば、日本は取り返しのつかない不利益を被ることになる。慰安婦問題などを通じて日本が「人権侵害の常習犯」として固定化されれば、国際的な発言力を削がれるだけでなく、領土を統治する道徳的資格すら失いかねない。同時に、米国を「地域不安定化の要因」と印象付けることで沖縄での米軍排除が加速し、日米同盟のデカップリング(切り離し)が促進される。その行き着く先にある最大の損失とは、サンフランシスコ平和条約に基づく沖縄の日本帰属が否定され、抑止力の消えた沖縄に中共の警察・軍事権力の浸透を許してしまうという「主権の喪失」である。

この事態の本質は、中共が日本から沖縄の主権を剥奪するための高度な対外戦略に基づき、世論戦・心理戦・法律戦の「三戦」を仕掛けてきている点にある。中国が描く因果の鎖は、極めて巧妙な4つのステップで構成されている。第一に歴史問題を再燃させて日本を国際法違反国に仕立て上げる「歴史の犯罪化」、第二にサンフランシスコ条約を不完全な戦後処理として扱う「条約の無効化」、第三に沖縄住民を犠牲者と位置づけて琉球独立を国際問題化する「自決権の扇動」、そして最後に治安維持を名目に中国が関与する「主権の移転」である。これらはすべて、「沖縄(琉球)の帰属は未定である」という将来的な法律戦に向けた核心的な地ならしなのだ。

▶ 続きを読む
関連記事
中国による南太平洋への弾道ミサイル発射と米豪への影響、それに応じたインドの軍事・外交的対抗策、そしてトランプ政権下での米国の孤立主義回帰による「インド太平洋戦略」の変容と今後の国際情勢を解説する
UNRWAの浸透問題と対イスラエル偏重の決議、過去の不祥事が示す国連の構造的な不信。責任はなぜ上層部に届かないのか
倒産寸前のセラミックス工場から2つの世界的大企業を創り上げ、78歳で日航(JAL)再建を果たした稲盛和夫。「人間として何が正しいか」を問い続け、生涯をかけて体現した「敬天愛人」の真諦に迫る
『論語』学而篇から治国の本質を解き明かす。晏嬰の信義、漢文帝の節約、召公の愛民という歴史的逸話を通じ、真の善政とは「無事」を極めることにあると提示。時代を超えて響く孔子の徳治思想を紐解く
東京の片隅にある8席のラーメン店。効率や規模拡大を追う現代で、「この一杯しか作れない」と職人が一生をかけて紡ぐ静かな境地とは。稲盛和夫の「敬天愛人」や儒教の「智」を通じ、真の豊かさを問う