中国共産党による神韻への越境弾圧は「各国の国家主権を侵害」
「世界自由会議(World Liberty Congress)」の最高ガバナンス・政策責任者であるアマル・アブドゥルハミド(Ammar Abdulhamid)氏は大紀元の取材に対し、中国共産党(中共)が各国で神韻芸術団に対して行っている国境を越えた弾圧(越境弾圧)や一連の妨害工作は、諸外国に対する「主権侵害」に他ならないと述べた。
アブドゥルハミド氏は、各国政府が制裁や中共との経済的デカップリング(切り離し)などの手段を講じ、中共の越境弾圧に対抗することを提案している。
神韻芸術団は2006年にニューヨークで設立され、中国の伝統文化の復興を使命とし、「共産主義以前の中国」を表現している。神韻は毎年世界中を巡回公演し、国際社会の主流層から広く称賛され、各国政府から数百におよぶ表彰や祝辞を受けているが、これが中共に大きな不安を抱かせている。
アブドゥルハミド氏によれば、中共が神韻を脅迫するのは、その発信力を削ぐためである。「人々に『声を上げれば報復される』と思わせ、沈黙を強いることが狙いだ」と警鐘を鳴らした。
「たとえ現在住んでいる国が中共の直接の管轄下になくとも、アメリカ、カナダ、ヨーロッパ、あるいはその他の異国の地にいたとしても、中共の脅威によって恐怖を感じてしまう人々がいるのだ」
これに先立ち、著名な法学者で元北京大学教授の袁紅氷氏は、大紀元に対し次のように語っている。「2022年の中共第20回党大会前に行われた中央政法委員会の拡大会議において、習近平は海外での法輪功の発展に対し、新たな弾圧・迫害の大戦略を実施することを打ち出した」。その主要な攻撃目標には神韻芸術団が含まれている。
過去2年間で、神韻芸術団は爆破予告、放火予告、銃撃予告といった虚偽の暴力脅迫を含む、少なくとも150件の妨害事件に直面している。
アブドゥルハミド氏は、アメリカの神韻芸術団が公演先の国々で遭遇している様々な脅迫事件は、それらの国の主権に対する攻撃であり、全人類に対する攻撃であるとの認識を示した。
「これは全ての外国の主権に対する攻撃である。実質的には、あらゆる人々を対象としたソフトな戦争(Soft War)だ。冷戦の一形態であり、全ての国家主権に対するソフトな戦争なのだ」
今年3月29日および4月1日から5日にかけて、カナダのトロント・フォーシーズンズ・シアターで開催予定だった神韻芸術団の6公演が、中共による虚偽の爆破予告のために中止に追い込まれ、大きな注目を集めた。
爆破予告メールの送信者は4月3日、再び挑発的な中国語のメール2通を送信した。カナダ法輪大法学会のスポークスマン、ジョエル・チップカー(Joel Chipkar)氏が公開した内容によると、送信者は自らが中国共産党(中共)の立場と一致していることを明示し、「我が祖国共産党」という言葉を使い、神韻に対する行動を中共の立場に直接結びつけている。2通のメールの送信時間は米東部時間の21時23分と21時42分であったが、件名には「おはよう(早)」と記されていた。これは中国本土の午前中の時間帯に相当するため、送信者は中国本土に滞在していると推測される。この送信者は、カナダ、イギリス、フランス、韓国、ウェールズなど多国籍の劇場に送られた脅迫メールにも関与していると指摘されている。
アブドゥルハミド氏は、各国が制裁の実施や経済的なデカップリングを通じて、中共による神韻芸術団などへの越境弾圧を阻止すべきだと提言した。
「個人に対する標的型制裁の実施や、特定の製品のボイコット、あるいは中共への外交的圧力を強めること――つまり、越境弾圧を即刻停止すべきだと彼らに告げることだ」
また、各国の国会で、中共の越境弾圧に関与する者を制裁する法律を制定することも提案した。
「国会における最も重要な措置の一つは、虚偽情報の拡散に関与する特定の中共機関や個人に対して、標的型制裁を推進することだと思う」
現在、アメリカ連邦議会で審議中の法案のうち、少なくとも2つが中共の越境弾圧への直接的な打撃となり得る。それは『越境弾圧政策法案』と『2025年越境弾圧打撃法案』である。
2025年12月、アメリカ議会・執行当局中国委員会(CECC)が発表した『2025年度報告書』では、専門の章を設けて中共による越境弾圧の状況に焦点を当てている。
同報告書は、「米国政府は国際的な協力と情報共有を深めるべきである。G7の越境弾圧対応枠組みに基づき、2年ごとに多国間演習を開催し、越境脅迫戦術に関するリアルタイムの情報を交換し、越境的な恐喝に関与する重要人物を特定すべきだ」と勧告している。
報告書はさらに、国際社会が協力して加害者の責任を問う仕組みを推進し、越境弾圧を阻止するための実効性のある権限を設けるべきだとした。具体的には、制裁や取り締まりに必要な一連の手段をまとめ、同盟国が事件の特定から捜査、そして裁判での起訴までを円滑に行えるよう後押しすることを提案している。
アブドゥルハミド氏は、各国政府が経済面で中共とデカップリングを行う必要性についても言及した。
「最も重要な措置の一つは、経済的に中共から脱却しようとすることだ」
「そうすることで、中共は経済的な力を利用して政策に影響を及ぼすことができなくなる。我々はこの方向に向かって努力しなければならない。中共政府の影響から民主主義を守りたいのであれば、経済的に中共から切り離される能力を持つ必要がある」
「世界自由会議」はドイツのベルリンに本部を置き、60カ国のメンバーで構成されている。アブドゥルハミド氏によると、同団体のメンバーの多くも越境弾圧の被害に遭っているという。例えば、共同創設者の一人で著名なイランの人権活動家マシー・アリネジャド(Masih Alinejad)氏は、イラン政権による暗殺の脅威にさらされている。
2025年2月、アメリカ・ワシントンの著名な非営利団体「フリーダム・ハウス」が発表した報告書では、中国共産党政府が越境弾圧の主要な加害者であると指摘されている。