米がイラン輸出を封鎖 市場は一時混乱も長期は需給主導か
アメリカがイランの港への海上封鎖を発表したことで、世界のエネルギー市場は大きく揺れ、原油価格は一時、1バレル100ドルを上回った。専門家は、この措置がイラン経済に直接打撃を与えるだけでなく、中国などの主要輸入国にも影響を及ぼすと指摘している。一方で、その影響が長引くかどうかは、供給網の調整力や今後の地政学的な展開に左右されるとの見方も出ている。
協議が決裂したあと、米側は圧力を一段と強めた。米中央軍は、イランの港に出入りするすべての船舶を対象に封鎖を実施すると発表した。一方で、ホルムズ海峡を通過する船舶の通航権には踏み込まず、海峡全体を封鎖するのではなく、イランの輸出だけを封じる形を取った。圧力の焦点をイランの輸出に絞りつつ、世界の海運への打撃を抑える狙いがある。
この措置の核心は、衝突を全面的な航路封鎖ではなく、経済的な締め付けにとどめる点にある。ホルムズ海峡は世界の石油輸送のおよそ2割を担う要衝であり、海峡を封鎖すれば世界経済への影響は一段と大きくなる。これに対し、イランの輸出に狙いを絞れば、イランの財政基盤を弱めながら、市場の混乱をある程度抑える余地がある。
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