2018年3月16日、米国アラバマ州トロイのトロイ大学キャンパス内にある孔子学院の建物。(Kreeder13撮影/Wikimedia Commons提供)

【分析】孔子学院閉鎖後も続く中共の教育浸透 米公立学校に新たな影響力工作

中国共産党(中共)によるアメリカの教育現場への影響力工作は、「孔子学院」に代わる新たな形態で継続している懸念が浮上した。かつて大学キャンパスで展開した孔子学院を相次いで閉鎖したが、その後は非営利団体や文化交流事業を装った組織を通じて活動を続けているとの指摘が出ている。アメリカの公立学校で使用する中国語教育プログラムも、中共の影響を受けていることがある。

中共は2004年からアメリカの大学内に孔子学院を設置し始めた。さらに全米の小中高校と連携し、約500の「孔子課堂(教室)」を展開した。しかし、米議会などから中共のプロパガンダ機関との批判が高まり、ほぼすべての孔子学院を閉鎖したことで、問題は収束したかに見えた。

ところが、教育政策アドバイザーで中国問題の専門家でもあるジェニファー・リッチモンド氏はこのほど、米紙「ヒル」への寄稿で、2022年の「全米学者協会(NAS)」の報告書を引用し、多くの孔子学院は名称変更や第三者機関を介した運営によって存続し、引き続きアメリカの学生に中共のイデオロギーを浸透していると明かした。

▶ 続きを読む
関連記事
ベッセント米財務長官は21日、中共の各種AIモデルが「蒸留」で米国の大規模言語モデルの成果を無断で利用していないか調査すると明らかにした。事実と確認されれば、知的財産を盗んだ中国系企業に制裁を科す方針だ
米国土安全保障省は非移民ビザ保有者が米国に長期滞在し続けることを防ぐ措置に乗り出した。留学生と交流訪問者の滞在許可期間を最長4年、外国人記者を最長240日に変更
イラン大統領府向けの機密報告書で、国民の政府への怒りや政権不信が深刻化していることが明らかになった。80%超が食料不足に直面し、専門家は新たな抗議の可能性を指摘している
欧州委員会が中国のECサイト「アリエクスプレス」に約1000億円(5.5億ユーロ)の制裁金。違法商品や模倣品、不安全な製品の販売を放置し、広告や推薦機能で消費者に表示と認定
中国・敬業集団が買収した英鉄鋼大手を英国政府が国有化。高炉閉鎖への懸念を背景に、国家安全保障とサプライチェーン強化を重視する姿勢が鮮明になった