暑い夏にぐっすり眠るには――専門家が教える7つの方法

暑い夏にぐっすり眠るのは簡単ではありません。夜間の高温によって寝つきが悪くなり、眠れたとしても暑さで夜中に目が覚めてしまうことがあります。その結果、睡眠の質が低下し、翌日は一日中だるさや眠気を感じることにもなります。こうした問題に対し、専門家は夏の睡眠を改善するためのいくつかの方法を紹介しています。快適な一夜を過ごすための参考にしてください。

イギリスのノッティンガム・トレント大学のスマートエンジニアリングシステム教授アミン・アル=ハバイベ氏とプロダクトデザイン上級講師フランチェスコ・ルーク・シエナ氏は、学術メディア「The Conversation」への寄稿で、高温下で寝つきが悪くなる原因のひとつは体温調節にあると説明しています。

両氏によると、睡眠は体温と密接に関係しています。人は眠りにつき、その状態を維持するために体内の熱を放出する必要があります。しかし寝室の温度が高すぎると、この過程が妨げられてしまいます。

湿度が高い場合、この問題はさらに深刻になります。湿度と熱ストレスに関する研究では、高湿度によって高温が体に与える負担が増すことが示されています。人体は主に発汗によって熱を逃がします。汗が皮膚表面から蒸発する際に熱が奪われますが、湿度が高いと汗が蒸発しにくくなり、体温を十分に下げることができません。

エアコンはこうした問題を改善できますが、すべての人が電気代を負担できるわけではありません。研究によると、日差しを遮ることや換気は、機械による冷房を使わずに室内の熱を減らす「パッシブ・クーリング(受動的冷却)」として非常に重要です。そのため、室内を冷やす前にまず室内へ熱が入り込むのを防ぐことが効果的です。

以下の7つの方法は、夜になる前に寝室を涼しく保ち快適な睡眠を得るのに役立ちます。

1. 日中は日差しを室内に入れない

晴れた日には、カーテンやブラインドを閉めておきましょう。日差しの侵入を抑え、床・壁・家具が熱を蓄えるのを防ぐことができます。

また、窓を開けるタイミングにも注意が必要です。屋外の気温が室内より高い場合は、窓を開けるとかえって熱気が入り込んでしまいます。屋外の気温が室内より低くなる時間帯――一般的には早朝・夕方・夜間――に窓を開けて換気しましょう。

2. 風の通り道をつくって換気する

対角線上にある窓やドアを開けて風の通り道をつくると、空気が流れ室内にこもった熱を外へ逃がしやすくなります。屋外の空気が涼しいときには特に効果的ですが、その効果は住宅の構造・外気温・安全性・騒音・空気の質などによって左右されます。

3. 室内の温度と湿度を下げる

オーブン・コンロ・衣類乾燥機・洗濯機・食器洗い機などを使用すると室内の温度が上昇します。また、室内で料理をしたり洗濯物を干したりすると湿度も高くなり、汗が蒸発しにくくなります。

暑い日は、熱を発する家電はできるだけ早朝か夕方に使用しましょう。また、料理や入浴の際には換気扇を回してください。換気扇は暖かく湿った空気を屋外へ排出し、家のなかに広がるのを防いでくれます。

4. 通気性のよい寝具や衣類を選ぶ

研究では、パジャマや寝具の繊維素材が睡眠中の快適さに影響することがわかっています。薄手でゆったりとしたパジャマや寝具は、体の熱を逃がしやすくします。

綿やリネンは吸湿性と通気性に優れているため、一般的に快適な素材です。ただし、生地の織り方・厚さ・吸湿速乾性も重要な要素です。

一方、厚手の寝具・布団・体にぴったりとした化学繊維の衣類は熱や湿気がこもりやすいため、避けたほうがよいでしょう。

5. 寝る場所を変える

寝室が2階にあったり南向き・西向きだったりする場合は、家のなかでも特に暑くなりやすい部屋です。日当たりのよい壁や屋根は、日没後もしばらく熱を放出し続けます。

そのため猛暑の日には、1階や北向きの部屋で寝るほうが快適に過ごせる場合があります。

6. 扇風機は上手に使う

研究によると、多くの高温環境では扇風機は有効ですが、安全性は気温・湿度・使用する人の年齢・水分補給の状況・健康状態によって異なります。

扇風機そのものが室温を下げるわけではありません。皮膚の表面に風を当てることで汗の蒸発を促し、涼しく感じさせる仕組みです。

しかし極端な猛暑では、扇風機だけでは十分でない場合があります。特に高齢者・脱水状態の人・体調が優れない人は注意が必要です。

扇風機を使用する際は十分な水分補給を心がけ、就寝中は風が顔に当たり続けないようにしましょう。使用中にかえって暑く感じたり、めまいや体調不良を感じたりした場合は、すぐに使用を中止してください。

イギリスの睡眠専門家・セラピストのナタリー・ペニコット=コリアー氏は以前、「就寝中に扇風機を使う場合でも、一晩中つけっぱなしにしないほうがよい」と警告しています。つけっぱなしにすると睡眠の質が低下する可能性があるためです。

また中医学では、扇風機の風を顔や体に直接当てることは健康によくないと考えられています。天井や壁に向けて使用し、風が直接体に当たらないようにすることが勧められています。

7. 手軽で安全な冷却グッズを活用する

繰り返し使える保冷剤・冷却パック・冷却枕を利用すると、より快適に眠れる場合があります。保冷剤は布で包むかトレーの上に置き、結露で寝具が濡れないようにするとともに直接肌に触れないようにしてください。

また、水や相変化材料(PCM)を用いた冷却マットや寝具も役立つことがあります。これらの素材は状態が変化する際に熱を吸収・蓄積・放出しますが、価格や効果は製品によって異なります。

両氏は、「最も効果的なのは複数の対策を組み合わせることです」とまとめています。日中は日差しを遮り・外気が涼しい時間帯に換気を行い・家電による発熱を減らし・家のなかで最も涼しい部屋で眠り・体の熱を逃がしやすい寝具を使用すること――これらが夏の快適な睡眠につながります。

(翻訳編集 解問)

陳俊村