共産党のために書いた記者が なぜ中国を逃れたのか
1989年6月4日、血に染まった天安門の朝を目撃した大学1年生は、やがて中国共産党(中共)官製メディアの記者となり、体制の深部で軍の腐敗と臓器収奪の実態を知る。体制の「捨て駒」になることを拒み、キリスト教の伝道師として生きる道を選んだ汪勁(おう・けい)氏。過酷な弾圧と終わりのない監視を逃れ、カナダへ亡命した元記者が、人生を賭して告発する「中共の闇と失われた良心」の記録。
1989年6月4日の朝、北京・新街口。大学1年生だった汪勁氏は、とうとう家を出た。
数日前から、母親は汪勁氏と弟に「外に出てはいけない。大変なことが起きる」と言い聞かせていた。それでもその朝、汪勁氏は家族に気づかれないよう家を抜け出した。
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