中国共産党 法輪功学習者への年金支給停止 80代3人 最長22年受け取れず
86歳の劉鳳起さんは、22年間、自分の年金を受け取れないまま過ごしてきた。81歳の武秀蘭さんは、年金を10年間停止され、子供もおらず、資源ごみを集めて売り、生活している。80代の魏少敏さんは、出所後に年金を失い、住まいや基本的な生活の支えも失った。
3人の高齢者は異なる都市で暮らしているが、似た境遇に置かれている。法輪功を修煉していることを理由に刑事処分を伴う迫害を受け、出所後には本来受け取るべき年金まで失った。
若者であれば、収入源を失っても再就職することができる。しかし80代の高齢者にとって、退職するまで長年働き、年金保険料を納めてきたのは、老後の生活を保障するためだった。ところが今、その本来受け取るはずの老後の保障を失っている。
劉鳳起さん 22年間受け取れない年金
明慧ネットによると、河北省滄州市南皮県の法輪功学習者、劉鳳起さんは現在86歳。かつて郷鎮で水利業務を担当する幹部だった。
法輪功の修煉をやめることを拒んだため、2003年から南皮県によって月4千元余りの年金を停止され、支給されたのは300元(約6千円)の生活費だけだった。この状態は2025年まで22年間続いた。
しかし2026年に入ると、この300元も支給されなくなり、収入がまったくなくなった。
報道によると、現在、一人暮らしの劉さんは極めて厳しい生活を強いられている。
武秀蘭さん 年金も子供もない
遼寧省錦州市の法輪功学習者、武秀蘭さんは1945年生まれの81歳。かつて錦州市党委員会や建設委員会などの政府系機関で34年間働き、エンジニアの職に就いていた。
武さんは2度にわたり不当に収監され、服役期間は計5年に及んだ。2016年、年金が突然停止され、現在まで10年間支給されていない。
子供はおらず、年金が唯一の収入源だった。長年にわたり年金の支給再開を求めてきたが、実現していない。錦州市人力資源・社会保障局に不服を申し立て、行政訴訟も起こしたが、錦州運輸法院はこれまで受理していない。
明慧ネットによると、収入源を失った武さんは、資源ごみを集めて売り、生活するしかなくなった。暑い夏には、資源ごみを積み上げた部屋に異臭が漂い、厳冬期には小さな荷車を押して資源ごみ回収所へ通い、わずか1元未満のお金を得ているという。
近所の人たちは武さんを気遣い、飲料ボトルや段ボール箱をそっと届けている。
複数の政府系機関で34年間働いたエンジニアが、晩年には資源ごみを拾い、わずかな金を得て生活している。
魏少敏さん 年金を失った後の老後
遼寧省撫順市に住む80代の法輪功学習者、魏少敏さんは2014年、自宅で法輪功の書籍を読んでいた際に連行され、その後、不当に懲役7年6か月の判決を受けた。収監中には迫害を受け、3度にわたって危篤の通知が出された。
2021年3月、服役を終えて出所すると、自分の年金が差し止められていたことが分かった。2022年には撫順市人力資源・社会保障局と社会保険局に不服を申し立てたが、結果は出なかった。
魏さんが連行された当時、夫は突然心臓病を発症して亡くなった。夫にも退職金はなかった。夫の死後、唯一の住居もローンを返済できず、売却されてしまった。
明慧ネットによると、魏さんは出所後、娘の家で暮らし、生活費のすべてを娘の援助に頼っている。
3人はすでに、再就職したり、働いて年金保険料を納め直したりできる年齢ではない。3人にとって年金は単なる追加収入ではなく、基本的な生活を支える重要な保障である。
法律は何を保障しているのか
「社会保険法」は退職者をどのように保障しているのか。
「社会保険法」第16条は、基本年金保険に加入した個人が法定退職年齢に達し、保険料の累計納付期間が15年以上の場合、毎月基本年金を受け取れると定めている。第18条では、国が基本年金を定期的に調整する仕組みを整備することも定めている。
一方で、現行制度は法律に基づき、年金の全額支給を義務づけている。それにもかかわらず、信仰を理由に年金支給を停止している。
この3つの事例から、一つの問題が浮かび上がる。行政機関が退職者の年金を停止する法的根拠は何なのか。関連の決定には、明確な法的手続きがあるのか。
「高齢者権益保障法」 高齢者には特別な保障が必要
80代の高齢者にとって、年金は基本的な生活を維持する唯一の保障であり、衣食住や医療に直接関わる。
中国の現行の高齢者保障制度も、高齢者の基本的な生活を社会保障の重要な一部として位置づけている。
劉さんは86歳、武さんは81歳、魏さんも80代である。3人にとって、再び働くことは現実的な選択肢ではない。それにもかかわらず、法輪功を修煉していることを理由に、本来受けるべき社会保障を失っている。
これは3人だけの問題ではない
劉さん、武さん、魏さんのケースは、特別な事例ではない。
明慧ネットが2026年3月にまとめた江西省の事例では、65歳以上の法輪功学習者18人について、年金の支給停止や減額などのケースを挙げている。また2025年3月にも、明慧ネットは、錦州市で10人近い法輪功学習者の年金や医療保険に支障が生じていると報じた。
こうした事例が相次ぐなか、問題は3人の高齢者だけの個人的な境遇ではなくなっている。
退職した高齢者が信仰を理由に老後の保障を失う場合、年金を停止する法的根拠はどこにあるのか。そして、それによって生じる生活上の困難について、誰が責任を負うのか。