クルーズ船は人が多い一方、外部とは閉ざされた空間であるため、感染症が発生しやすく、こうした事例もしばしば耳にします。もしクルーズ船で休暇を過ごす予定があるなら、感染を防ぎ、病気にかからないためには、どのような対策を取ればよいのでしょうか。専門家のアドバイスを見てみましょう。
アメリカの「トラベル・アンド・レジャー」誌の報道によると、クルーズ会社は病原菌が広がる前に消滅させることを目的として、厳格な清掃規定を実施していますが、乗客自身にも予防対策をしっかり行う責任があります。専門家によると、ある重要な点について、大半の乗客はもっと徹底する必要があります。
エモリー大学で疫学・グローバルヘルス学の教授を務めるベンジャミン・ロップマン氏は、最も重要なのは、ビュッフェを避けたり、客室を拭いたり、スーツケースにさまざまな栄養補助食品を詰め込んだりすることではなく、手を清潔に保つことだと述べています。
ヴァンダービルト大学医療センターの感染症学教授ウィリアム・シャフナー氏は、「私たちの手は周囲の環境や他の人に触れることで、細菌が付着します。そして、手で口や鼻、目に触れると、細菌がそこへ移動し、感染を引き起こします」と説明しています。
ノロウイルスは、クルーズ船で乗客が感染することの多いウイルスの一つです。このウイルスは、エレベーターのボタンやビュッフェ用のトングなどの表面で数日間生存することがあり、ごく少量でも人を感染させる可能性があります。つまり、他の人と接触していない乗客でも感染する可能性があります。しかし、こまめに手を洗えば、このウイルスが感染を引き起こす前に洗い流すことができます。
多くの乗客は、特に手洗いを強く呼びかけているクルーズ船では、熱心に手を洗います。ほとんどのクルーズ船では、レストランの外や、港から船に戻る際に利用する乗船用タラップに、手指消毒液を備えた衛生ステーションを設置しています。最近の多くのクルーズ船では、乗客が石けんと水で手を洗えるよう、洗面台を備えた手洗い場も設置されています。

一部のクルーズ会社では、乗客に手洗いを促すため、ユニークな方法も取り入れています。例えば、スタッフがビュッフェレストランの外で、歌詞が面白く、耳に残るメロディーの「ウォッシー・ウォッシー・ソング」を歌ったり、食べ物をテーマにした衣装を着て踊ったりしながら、食事の前に手を洗うよう乗客に丁寧に呼びかけることがあります。しかし残念ながら、それでも手洗いを拒む乗客はいます。
ロップマン氏は、自分の衛生習慣がどれほど良いかを過信してはいけないと注意を促しています。「研究によると、人は自分がどれほど徹底的かつ頻繁に手を洗っているかを、大幅に過大評価する傾向があります」
最も望ましい衛生習慣は、食事の前、トイレの後、公共の場所にある物に触れた後、そして体調の悪い人に接触した後に手を洗うことです。ノロウイルスについては、手指消毒液は石けんより効果が劣るため、石けんと水による手洗いを優先すべきです。
さっと水ですすぐだけでは不十分です。ロップマン氏は、手を洗う時間は毎回少なくとも20秒必要だと強調しています。「時間を数えてください。20秒は、ほとんどの人が想像するよりも長いのです」
もちろん、休暇中に感染する可能性がある病気はノロウイルスだけではありません。また、クルーズ船だけが人を病気にする可能性のある旅行手段でもありません。もし夜間便に乗り、隣の人がずっと咳をしていたら、どれほど頻繁に手を洗っていても、病気に感染する可能性はあります。
他人の行動をコントロールすることはできません。そのため、クルーズ旅行中に健康を維持したいのであれば、最善の方法は、さまざまな予防対策を厳格に実践することです。まずは、1日に何度も手を丁寧に洗うことから始めるとよいでしょう。
今年初め、大西洋を航行していたオランダ籍のクルーズ船「ホンディウス号」でハンタウイルスの感染が発生し、複数の死者が出ました。
これについて、アイルランドのリムリック大学公衆衛生学助教授のヴィクラム・ニランジャン氏は、この事件は、クルーズ船のような閉鎖された空間では病原体がより容易に広がることを示していると指摘しました。同氏は、乗船後はこまめに手を洗うよう呼びかけています。手指消毒液も役立ちますが、石けんと水による手洗いの代わりにはなりません。
(翻訳編集 解問)
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