2017年2月20日、サンサルバドルの南西107キロにあるベルリンの「エル・トロナドール」野生動物救護センターで、オセロットが救護を受けています。(Marvin Recinos/AFP via Getty Images)

百年ぶりに新たなネコ科の種を発見 ボリビアの山奥で姿を確認

南米ボリビアの雲霧林で、地元住民には長年知られていたものの、科学界では正式に確認されていなかった小型の野生ネコが、今回、まったく新しい種であることが確認されました。研究者はこの種をボリビアヤマネコと命名しました。これは100年以上ぶりに正式に記載された新たな現生野生ネコ科種です。

この国際共同研究の成果は9月17日、学術誌『カレント・バイオロジー』に掲載されました。研究チームは南米各地に生息するLeopardus属のネコ科動物38個体について全ゲノムを解析しました。その中には博物館に収蔵された8点の標本も含まれています。その結果、これまで「タイガーキャット複合群」とみなされていた集団が、実際には遺伝的に明確な違いを持つ5つの独立した種から成ることが分かりました。

新たに発見されたボリビアヤマネコは、地元のコミュニティでは以前から「Tilcayo」と呼ばれていました。研究者がこの動物に最初に注目したのは、地元住民が発見した雄のヤマネコを自宅で飼育した後、ボリビアのユンガス地域にあるセンダ・ベルデ野生動物保護施設に預けたことがきっかけでした。この雄ネコは現在約10歳で、科学者が把握している数少ない生体個体の一つです。

研究者は、このネコの外見が従来認識されていたヤマネコと完全には一致していないことに気付きました。特に、体にある斑紋が大きく、形状も異なっていたため、ボリビアヤマネコの分類学上の位置付けについて改めて調査を始めました。

ボリビアヤマネコは、アンデス山脈の東側に広がるユンガスの雲霧林に生息しています。体は小さく、体長は約46センチ、体重は約1.4キロで、一般的なイエネコよりも小型です。毛色は淡い褐色で、体には濃色で不規則な形をしたロゼット状の斑紋があります。

研究チームの遺伝子解析によると、ボリビアヤマネコの祖先は約140万年前には、ほかのヤマネコ系統から分岐していました。研究者は、この集団の遺伝的差異がすでに種レベルに達していると判断し、正式にLeopardus tilcayoと命名しました。地元コミュニティで使われてきた「Tilcayo」という名称も残されました。

この研究では、南米のヤマネコ複合群の分類も改めて整理されました。これまで、この集団は大まかに北部ヤマネコ、南部ヤマネコ、東部ヤマネコ、アンデスヤマネコなどに分類されていました。しかし、新たなゲノム解析によって、関連する集団は実際には5つの種に区別できることが明らかになりました。これは、ヤマネコが典型的な隠蔽種に属することも示しています。異なる種でありながら外見が非常によく似ているため、肉眼だけでは区別するのが難しく、遺伝子や進化に関する資料を組み合わせて初めて、その違いを確認することができます。

ボリビアで発見された新種に加えて、研究チームはペルーのユンガス地域に生息する新たなヤマネコの亜種についても記載しました。正式な学名はLeopardus tigrinus antisuyoです。研究者は、かつてのインカ帝国の行政区画「アンティスユ」にちなんで命名しました。

現在、科学界ではボリビアヤマネコの生態や個体数について、まだほとんど分かっていません。研究者は糞便のサンプルから小型げっ歯類の遺骸を発見しており、小型げっ歯類を主な餌としている可能性が示されています。また、赤外線カメラによって活動する様子も撮影されており、予備的な結果では主に夜間に活動している可能性があります。

論文の共同筆頭著者で、ベルギーのアントワープ大学の進化生物学者であるジョナス・レスクロアート氏は、研究チームは当初、ボリビアヤマネコが独立した種であるとはまったく予想していなかったと述べています。それ以前にも、これが別の種や亜種である可能性を指摘した人はいませんでした。

研究者は、今回の発見は科学界におけるヤマネコの進化史に対する理解を変えるだけでなく、南米には依然として発見されていない生物多様性が数多く存在することを浮き彫りにしていると指摘しています。外見は似ていても、実際には異なる進化の歴史を持つ集団について、正確に種を分類することは、その後の保全活動にとっても重要です。

ユンガスの森林は現在、森林伐採、農業の拡大、鉱業などの脅威にさらされています。研究チームは今回の最新の分類研究を国際自然保護連合(IUCN)に提供し、今後、ヤマネコの各独立系統の保全状況を再評価する際の資料として活用されることを期待しています。IUCNレッドリストでは現在、北部ヤマネコと南部ヤマネコを大まかに2種類の「危急」種として分類しており、個体数は減少しています。レスクロアート氏は、「ボリビアヤマネコ」の危機レベルが直接「絶滅危惧」へ引き上げられる可能性があると警告しています。

ボリビアヤマネコの現在の個体数や分布については、まだ十分なデータがありません。そのため研究者は、個体数の規模や生息地の状況についてさらに調査することが、次の段階における重要な課題になると考えています。 

(翻訳編集 解問)

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