なぜ私はいつも「アブラナ科野菜をたくさん食べましょう」と言うのかというと、実はきちんとした科学的根拠があるからです。
外来ではよく「劉先生、いつもキャベツやブロッコリーを食べなさいと言いますが、いったい何がいいのですか?」と聞かれます。今日は、皆さんにとってなじみ深く、どこでも手に入るアブラナ科野菜について、まとめて分かりやすくお話しします。
最も一般的なアブラナ科野菜
アブラナ科野菜は、実は皆さんが毎日食べています。キャベツ(紫キャベツを含む)、ブロッコリー、カリフラワー、カイラン、白菜(白菜・チンゲン菜)、大根です。
どれも家庭的な野菜に見えますが、その中には健康にとって重要な「フィトケミカル(植物化学物質)」が含まれています。アブラナ科で本当に鍵となる栄養素は、硫黄を含むフィトケミカルです。これらの野菜で注目すべきなのはビタミンだけではなく、硫黄を含むフィトケミカルで、学名ではグルコシノレート、イソチオシアネート、スルフォラファンと呼ばれます。
グルコシノレートはアブラナ科の「原料」のようなもので、それ自体はそれほど活性が高くありません。これらの野菜を切ったり、かんだり、咀嚼したり、あるいは腸内細菌の作用を受けたりすると、グルコシノレートはより活性のある物質に変換されます。その中で最も有名なのがスルフォラファンで、ブロッコリーやカリフラワーに特に多く含まれています。
私はよく患者さんに、「これは『毒を洗い流す』のではなく、体の解毒システムのスイッチを入れてくれるのです」とお話ししています。
硫黄を含むフィトケミカルの効果
1.肝臓の第2相解毒システムを起動する
- Nrf2経路を活性化します。
- GST、NQO1、HO-1、UGTなどの解毒・抗酸化酵素を増やします。
- 大気汚染、環境毒素、一部の薬物代謝産物を、体がより効率よく処理できるようにする可能性があります。
2.慢性炎症と酸化ストレスを低減する
- 長期にわたる軽度の炎症を抑えるのに役立つ可能性があります。
- 心血管、代謝、腸の健康のいずれにもプラスに働く可能性があります。
3.腸内細菌と「協力」する
人によって効果に差が出ることがありますが、これは腸内細菌が前駆物質を活性物質に変換できるかどうかに関係しています。そのため、誰にでも同じ反応が出るわけではありません。
2025年に『ネイチャー・マイクロバイオロジー』に発表されたヒトを対象とした研究では、前糖尿病の患者にブロッコリースプラウト抽出物(スルフォラファンを豊富に含む)を摂取してもらったところ、腸内細菌叢が改善し、肝臓での糖新生が低下し、血糖の改善に役立つ可能性が示されました。
ただし、大切なのは「たくさん食べればいい」ということではなく、長期的に規則正しく食べること、そして良い腸内環境と組み合わせてこそ、体が本当に活用しやすくなるという点です。
簡単で効果的な3つの食べ方
1.さっと下ゆで(フィトケミカルを保つ)
ブロッコリーやカリフラワーを小房に分け、沸騰したお湯で60秒ほどゆでてすぐに引き上げ、オリーブオイルやごま油、刻みにんにくと和えて食べます。煮過ぎないことで、活性物質の流出を防ぎやすくなります。
2.生のまま切って、少し置いてから調理する
切った後、10~15分ほど置いてから調理すると、酵素がスルフォラファンを作る時間を確保できます。キャベツ、白菜、ブロッコリーはいずれもこの方法が適しています。この小さなひと手間はあまり知られていませんが、とても重要です。
3.大根とキャベツのスープ(腸にやさしい)
大根、キャベツ、生姜の薄切りを一緒にあっさり煮るか、電気鍋で調理します。胃腸が弱い方、化学療法中の方、高齢の方に特に向いており、刺激が少なく穏やかです。
◎ ワンポイント
- 甲状腺の病気がある方:完全に避ける必要はありませんが、生で大量に食べるのは控えましょう。
- 胃腸機能が弱い方:加熱したものを少量から始めましょう。
アブラナ科野菜はサプリメントではありませんが、毎日少しずつ食べる習慣は身につけられます。ぜひ毎日アブラナ科野菜を取り入れて、健康にプラスしていきましょう。
(翻訳編集 解問)
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