超加工食品はこれまで、体重増加、糖尿病、心臓病と関連づけられてきました。そして今、研究者たちは、より目立ちにくい影響を受ける部位を発見しました。それは骨格です。
1日あたりわずか数食分程度の追加摂取(冷凍食品、クッキー、炭酸飲料など)でも、股関節骨折のリスクが10%以上高くなることと関連づけられました。
この研究結果は『British Journal of Nutrition』に掲載され、食事と骨の健康に関するこれまでで最大規模の研究の一つです。イギリスバイオバンクの16万3855人を12年間追跡調査した結果、超加工食品(UPFs)の摂取量が多いほど骨密度が低下し、骨折リスクが有意に上昇することが一貫して示されました。
1食分追加するごとに骨折リスクが上昇
平均年齢56歳の参加者は、5年間にわたって5回実施された24時間食事回想質問票で食事内容を報告しました。
研究者はこれらの報告をもとに、NOVA分類システムを使って超加工食品の摂取量を特定しました。この分類は加工度によって食品をグループ分けし、包装されたスナック、甘い飲料、加工肉、即席食品など幅広い工業製品を含みます。骨密度は二重エネルギーX線吸収測定法(臨床的な標準法)で測定されました。
研究者は年齢、性別、BMI(体格指数)、身体活動、喫煙、飲酒、社会経済的地位、総エネルギー摂取量など、さまざまな要因を調整しました。
追跡期間中に1,097人が股関節骨折を、7,889人が身体の他の部位の骨折を経験しました。超加工食品の摂取量が多いほど、大腿骨頸部、大腿骨転子部、腰椎、全身の主要な骨部位で骨が弱くなることと関連していました。特に股関節骨折が最もよく起こる部位である大腿骨頸部では、超加工食品の摂取量が最も多い群で、特に懸念される低下が見られました。
毎日3.7食分の超加工食品を追加で摂取するごとに、股関節骨折リスクが10.5%増加し、全体の骨折リスクが2.7%上昇しました。
超加工食品の摂取と骨の健康悪化との関連は、65歳未満の成人と低体重の人で最も強かったと研究者らは述べ、この2つのグループには特に注意が必要だとしています。
若い人と低体重の人がより脆弱な理由
「低体重の人は、もともと骨密度が低いのです」と、登録栄養士で栄養ライターのメリッサ・ミトリ氏はエポックタイムズに語りました。
彼らは筋肉量も少ない傾向があり、これが骨折リスクを高めます。
テュレーン大学教授で本研究の共同責任著者であるルー・チー博士は、消化機能の年齢差が、若い成人で影響が大きい理由を説明できると述べました。
「65歳未満で関連が強いのは、若い世代の方が消化機能に優れており、超加工食品中の添加成分をより多く吸収するためだと考えられます」と斉氏はエポックタイムズに語りました。
新しい研究では、加工食品が多い食事は腸内細菌のバランスを崩す可能性があり、腸内細菌は栄養吸収と代謝シグナル伝達に重要な役割を果たしていることが示唆されています。
腸の健康と微生物の専門家で、Resbiotic Nutritionのパートナーシップ上級責任者であるカラ・シードマン氏は、エポックタイムズに対し、若い人は超加工食品の有益な成分と有害な成分の両方をより効率的に吸収し、その影響を増幅させる可能性があると述べました。
微生物の観点から見ると、これらのグループは食事による腸内環境の変化に対して、より脆弱であると彼女は述べました。
「超加工食品が微生物の多様性と代謝産物を乱す場合、炎症、栄養吸収、骨のシグナル伝達経路に影響を及ぼす可能性があります」とシードマン氏は言いました。
彼女は、これが長期的に骨密度に累積的な影響を及ぼす可能性があると述べました。
超加工食品が骨の健康を損なう仕組み
この発見は、超加工食品と骨格の健康悪化を結びつける研究をさらに増やすものです。
20歳以上の成人を対象とした研究では、超加工食品を多く食べる人は骨粗しょう症になりやすいことが分かりました。別の研究では、ファストフード店が多い地域に住む子供は、骨ミネラル含有量が低い傾向があることが報告されました。
超加工食品は、天然食品を油、糖、でんぷん、脂肪などの成分に分解し、保存料、人工甘味料、乳化剤などの添加物を加えて再結合した工業製品です。
製造方法の性質上、これらの食品は骨の健康維持に必要なカルシウムやビタミンDなどの必須栄養素が少なくなる傾向があります。その理由の一つは、加工過程で天然の栄養素が失われること、もう一つは精製された低栄養成分を原料としていることです。
一方で、超加工食品は通常、添加糖、塩、不健康な脂肪を多く含み、これらがさまざまな形で骨の健康に悪影響を及ぼします。例えば過剰なナトリウムは尿中へのカルシウム排出を増加させ、高糖・高精製炭水化物食は骨形成を損なう代謝変化を引き起こす可能性があります。
「多くの超加工食品は骨をつくる栄養素が少ないだけでなく、摂取量が多いと、骨の健康を支える自然に近い食品や栄養豊富な食品を置き換えてしまう可能性が高いのです」とミトリ氏は述べました。
腸内微生物叢も役割を果たす可能性
科学者たちは、超加工食品中心の食事が、腸内微生物叢(消化、代謝、免疫シグナルを調整する微生物の集団)を介して、骨に間接的に影響を与える可能性にも、ますます注目しています。
「微生物叢の不均衡は短鎖脂肪酸の産生を減少させ、ミネラル吸収を損ない、成骨細胞と破骨細胞の活性を調整する免疫シグナル経路に影響を及ぼす可能性があります」とシードマン氏は言いました。
腸内微生物の変化は、骨リモデリング細胞に影響を与える代謝物の産生を変化させる可能性があります。これにより骨組織を分解する破骨細胞の活性が増加し、骨をつくる成骨細胞が抑制される可能性があります。また、微生物叢の乱れは慢性的な軽度の炎症を促進し、骨分解に向かうバランスをさらに傾けます。
斉氏は、超加工食品に関連する高血糖や糖尿病などの代謝異常が、この損傷をさらに悪化させる可能性があると述べました。
超加工食品がさまざまな健康問題と関連づけられる研究が進む中、専門家は果物、野菜、赤身肉などのタンパク質、乳製品や緑葉野菜などのカルシウム豊富な自然に近い食品を優先することが、長期的な骨の健康を支える最も効果的な方法の一つであると強調しています。
便利さは短期的には時間の節約になりますが、骨の健康に関しては、今日の手軽さが将来的に代償を伴う可能性があります。
(翻訳編集 日比野真吾)
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