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押し潰された車両(大紀元資料)

湖南省株洲市、高架橋倒壊事故の内幕

 【大紀元日本5月21日】中国湖南省株洲市で大規模な高架橋倒壊事故が発生したが、救助と処理作業がわずか24時間で終了したという。政府側データによると今回の都市高架橋大面積倒壊事故による死者は9人、負傷者16人。27台の車両が押し潰された。しかし一部の現場目撃者からは、実際の死亡者数はこの数字よりもはるかに多いという情報が伝えられている。また、この高架橋撤去工事費用5分の4は横領されているという情報もある。

 5月17日午後5時ごろ、湖南省株洲市紅旗路にある撤去待ちの高架橋が突然倒壊した。先日、施工側は全高架橋取り壊しのため5月15日に66,67番橋脚に対し実施した爆破が成功したと現地テレビ放送で伝え、市民も皆このことを知っていた。
片側だけ押し潰された公共バス(大紀元資料)


 *橋面の落下音は大砲のようだった

 この悲劇の一部始終を目撃した副食店経営の張毅さん(37)は、まるで悪夢のようだったと話す。

 「17日午後4時23分ごろ、店から表に出ようとしていたところ、突然、北西の方向にある紅旗路高架橋が一節一節と東南の方向へ倒れて行った。橋の北西部分では施工作業が行われており、多くの橋の下に止めた車両の中にいた人たちは次々とドアを開けて逃げ出した。たった数秒の間に長い橋面部分が全て落ちてきた。橋板が地面にぶつかる音はまるで大砲を打ったような音だった。瞬く間に埃がたちこめ、人影も見えなくなった」

 事故現場にいた別の目撃者・清掃員の張さんは、17日午後に事故発生区域の清掃をしていたところ、突然頭上から音が聞こえて来たので高架橋を振り返ってみたという。

 「まるで何メートルもあるドミノのように一節、また一節と倒れてきた」

 合わせて8つの橋脚、9つの橋面が倒れた。

 「当時、橋の下は大渋滞で40分渋滞しており、車はひと繋がりになっていた」

 渋滞だったため、たくさんの車が潰された。しかし、渋滞の時間が長かったため、あるドライバーは落ちてくる橋面に気づき、逃げ出すことができたケースもある。

 *生死を分けた10秒間

 
橋面に押し潰された車両(大紀元資料)

汪さんもこの事故に遭遇した一人で、当時の光景を思い出すと未だに恐ろしいと感じるそうだ。「もし、あと2秒遅かったら、きっと下敷きになっていただろう」

 当日午後、汪さんはバスを運転し、会社の取締役を工場内の視察業務のために送って行くところだった。車には合わせて5人が乗っており、紅旗路高架橋に差し掛かった時に大渋滞に巻き込まれ高架橋の下で動けなくなっていた。

 「あの時、車はカタツムリのように数分で少しずつ動いていた。本当に焦りました」

 汪さんの話では、当時彼が前方を見ると前の車は先頭が見えないほど渋滞していた。後ろに目をやると、車がひと繋がりになっており、クラクションが鳴り続けていたので更に苛立ちや不安を感じていたという。

 突然、汪さんは頭上の高架橋が前方から崩れ落ちてくるのを目にした。

 「まるで映画のワンシーンのようでした。私はぼうっとしてしまいましたが、すぐに我に帰り、“前から橋が倒れてくる、早く逃げろ!”と叫び、車のドアを開けて逃げだしました。車を飛び出した直後、“どかん”という大きな音がしたので振り返ってみると辺りは埃で何も見えなくなっていました」

 埃が収まるのを待ち、辺りを見てみると高架はちょうど汪さんの乗っていた車の上に倒れ前の小形車には大きな石板の塊が。後ろの車は幸いにも難を逃れていた。

 車が無事でも車に乗っていた人はそれほど幸運ではなかったケースもある。42歳の会社取締役である馬長林さんは落ちてきた石で頭に怪我を負い、妹の馬平さんも足に怪我をし廃墟の中に倒れていた。

 当時の有様を思い出そうとすると、ただ大きな音と一面を覆った埃の記憶しかないそうだ。「橋が倒れる前10秒前後の時間、もし数秒遅かったら中に埋もれていたでしょう」

 *死亡者数は政府発表データをはるかに上回る

 政府メディアは18日午後6時半までに株洲市紅旗路高架橋倒壊事故による死者は9人、負傷者16人で車両24台が被害を受けたと伝えている。しかし、この数は中国大陸ネットユーザーの伝えた数字とはかなり差があるようだ。

 ある事故現場を目撃した人物は、「私は当時この現場におり、主人と橋の向かい側に渡る準備をしていましたが橋の下は人も車も多かったので渡りませんでした。当時、橋を渡っていた人やバイクは多かったので死んだ人は少なくとも3、40人はいたでしょう。また皆が押し潰された車を目にしたのは第2車線で最も内側の車線には、さらに多くの車が停まっていました。すでに生存者はいないでしょう。当時の光景はとても悲惨でした。橋が倒れるのを見ていましたが、私はまだ何の反応もしませんでした。第2車線の車は橋面の端で潰され、その時ドライバーも潰されました。渋滞していたので多くのドライバーが車の中で潰され、ある人は内臓が飛び出てきました。この時、私はやっと泣いたのです」と伝えている。

 あるネットユーザーは高架橋の近くの住民の話を引述し、下敷きになった人は80人を超え、生還率はほとんどないと伝えた。しかし政府側は現場を封鎖し、現場から発信された情報は選択処理されている。また株洲ネットユーザーからは現地の論壇上から多くの書き込みが削除され、別の省市の論壇に書き込むことしか出来ないという話もある。

 *多くの疑問

 紅旗路高架橋は湖南省首席都市高架橋であり、1995年から使用されている。全長2千750m、橋面の幅は16mを超え、高さ8m、合計100カ所余りの橋脚で支えられていた。このほど都市発展需要により撤去が決定した。5月15日午前中には66、67番橋脚の準備爆破に成功。20日には高架橋に対する爆破が予定されていた。

 現地市民は15日の爆破のどんな効果があったのか、専門家は論証したらどうなのかと述べている。株洲市政府ウェブサイトには現地メディアの報道文が載せられている。

 “今回の爆破は専門家の論証を経ており、周辺住民は安全に対する心配は必要ない”

 また別の報道では“今回の高架橋橋脚爆破による騒音はわずか30分前後で、爆破結果も非常に満足のいくものであった”と伝えている。このような文は今見ると、かなりのブラックユーモアな意味にとれるだろう。専門家は一体どんな論証をしたのか、専門家とはだれなのだろうか。

 この他に15日に準備爆破を行った高架橋がなぜ17日になっても依然として車が往来していたのかという疑問がある。ある市民は15日の2度の爆破後、高架橋の一部には亀裂が現れていたと話す。17日、事件の起きた部分の橋脚には既に穴が開けられ爆薬が放置されていた。橋脚の支える力はさらに弱まっていた。加えて17日に再び爆破が行われ、そのダメージが大きすぎて橋脚が負荷に耐え切れなくなり倒壊したと考えられる。

 さらに市民が理解できないことに、この期間中に関連部門は何の管制措置も採っていなかった。もし事前に予告あるいは管制措置を採っていたならば悲劇は完全に回避できたはずだ。また、政府は関連責任者9人の身柄を拘束したと発表しているが、この9人の身分もはっきり伝えられていない。

 あるネットユーザーがネット上でと伝えたところによると、同高架橋倒壊事件ニュースは事実が隠ぺいされ、関係者は真相事実を伝えることが出来ず、3千万元以上の撤去工事費用はそれぞれ8つの撤去チームに分配され、累計すると費用として残ったのはたったの6百万元。鉄筋は撤去側が所有。2千4百万元余りはどこへ消えたのか。公金横領罪は免れないという。

 *救助活動は24時間足らずで終了

 18日午後6時半、現場救助部門は事故現場の処理作業がすべて終了したことを発表。事故発生からわずか24時間足らずで救助側から生存者なしの宣言が出たことに市民は疑問を抱く。

 ある市民は四川大地震中、廃墟の中で数十時間埋もれ、最後に救出された奇跡もあるのに救助側がこんなに早く生存者なしの宣言をするのはいかがなものかと話している。これに対し当局ニューススポークスマンは、救助現場はすでに専門家の認証を経ており、生存者の痕跡がないことが確認されていると答えている。

 
(翻訳編集・坂本)


 (09/05/21 01:25)  





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