米国務省:人権報告書を発表、「中国の人権がさらに悪化」

【大紀元日本3月12日】米国務省は3月8日、2005年度の国際人権報告書を発表し、中国北朝鮮などを同列に位置付け、「世界で最も組織的な人権侵害」が行われている「圧政国家」と批判した。同報告によると、これまでの一年間、中国の人権状況はさらに悪化し、中共政権は法輪功などの団体に対する迫害を強めたという。

同報告書発表記者会見の冒頭、ライス国務長官は、人権と

人権と民主を推進することは米国の重要な原則であると述べるライス国務長官(AFP)

民主を推進することは米国の重要な原則であり、「自由を進展させることは、現代の重要な問題である」とブッシュ大統領の言葉を引用し、同報告書が国際社会に周知され人権問題が改善されることを望んでいると述べた。

法輪功への迫害はまだ続いている

同報告書によると、中共政権は1999年に法輪功への迫害を発動して以来、監禁中の拷問・虐待・放置により死亡した学習者は数百人から数千人までいたという。同報告は、吉林省長春市の劉伯陽と王守恵が2005年10月に拷問によって監禁中に死亡した事例を報告した。中共政権が今でも法輪功への迫害を続けており、数千名の学習者はまだ刑務所に監禁、または法的な根拠のない労働収容所と精神病院に収容されているという。

法輪功のスポークスマン・張而平氏は、中国国内外の法輪功学習者が引き続き各種の嫌がらせと迫害をうけていると語った。同スポークスマンは「この一、二年間、国内では中共の法輪功に対する迫害は厳しくなる一方だ。表では、以前のように大々的に行なわれていないように見えるが、迫害の手段と状況から見れば、迫害の手は少しも緩められていない」と現状の厳しさを説明した。

中共はネットに対する封鎖を強めている

今回の人権報告書では「人権状況が後退する部分も見られた」と報告した。なかに、インタネット上で政府にとって都合の良くない問題を議論する人、医療問題に積極的に取り組む人、労働者運動の指導者、弁護士、マスコミ関係者、地下教会のメンバーらの逮捕が多発している。中国人は政府を変える平和な手段がなく、公に意見を述べる人々は監禁・抗菌されている。当局は政権の安定を脅かしていると思われる宗教・政治団体の活動をすばやく封じていると指摘した。

言論の自由と報道の自由も挙げられた。出版物の管理と創刊、ラジオ・テレビを厳しくコントロールし、外国メディアが作成する番組を検閲しているという。また、海外からのラジオ電波を妨害することも指摘された。本年度、一部の出版物に政府が容認しない記事を掲載したため、停刊処分にされた。新聞記者、作家、学者と研究者らが嫌がらせを受けたり、勾留・逮捕されたりする事件は後を絶たない。

拷問は中国で一般的に行なわれている

同報告はさらに、国連の拷問特別調査員が訪中後の調査結果を引用し、拷問が中国で一般的に行なわれており、殴打と電撃が常用の手段で、囚人への拷問もよく見られていると紹介した。地下教会のメンバー、法輪功学習者、チベット人とウィグル族人は拷問の主な対象になっているという。

米国務省は毎年、全世界196カ国の人権状況をまとめた報告を発表している。中国は人権の状況の悪化で毎年批判されている。

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