ツバル国、海に飲み込まれる恐れ

【大紀元日本3月25日】オーストラリア問題研究所責任者クラフ・ハミルトン博士および環境専門家らは最近、ツバルギルバートモルジブの3カ国に対して、地球温暖化による海面上昇によって国土が消滅する危険にさらされていると警告した。中でも、ツバルは毎年この時期、大潮の被害を受け、住居や農地が被害を受けている。

英紙「デイリー・テレグラフ」の報道によると、オセアニア州の太平洋に位置するツバルは、ナウルに次いで世界で2番目に人口の少ない国(1,1468人=2004年)であり、国土面積はわずか26平方キロメートル、平均海抜4.5メートル、高くても5メートルしかない。現在、ツバルの海岸線は速いペースで後退しており、ヤシの木がすでに海に飲み込まれたとところもあるという。

ツバルの海岸線(AFP/Getty Images)

ツバルでは毎年、2~3月の大潮の時期に30%の国土が海に飲み込まれるという。環境庁長官アイナト・アイウェイ氏によると、当月はツバルの海岸が大潮にさらわれ、地中から海水が湧き出し、畑に浸食し塩分濃度が高くなり、多くの農作物が被害を受けているという。

水浸しの住宅(AFP/Getty Images)

首都フナフチでは、多くの小屋、野菜畑および豚舎が今回の大潮によって破壊された。ツバルの住民らの飲み水も保証されなくなり、現在は雨水の利用または、海水を淡水化する日本製の装置で、一部の生活用水を賄っているという。

情報筋によると、ツバル政府はすでに移民計画を構築しており、ニュージーランド政府との協議に合意し、住民を年間80人ペースでニュージーランドへ移民させることになったという。また、同じ南太平洋のニウエ共和国もツバルの住民を受け入れる意思を表明したが、同国も将来は、同様な問題を抱えるようになるとみられている。

国連管轄下の気候変動観測政府組織(IPCC)の統計資料によると、これから100年先の地球における気温は、さらに1.4~5.8℃の上昇になると予測されており、相対的に海面は80ミリ上昇するとみられる。

情報筋によると、米国ワシントンの世界資源研究所(WRI)は少し前に提出した調査報告で、地球温暖化の進行がかなり早まっていると示した。同研究所のデイビッド・ジラード氏は、人類が化学・石油燃料の使用を中止し、気温に影響を与えるガスの生成を減少させても、温暖化の速度を緩和させることは困難であり、エネルギーの慣性作用による地球温暖化は継続するとの見解を示した。

ツバルは典型的な熱帯島国(AFP/Getty Images)

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