北京・上海:大気汚染・交通問題の悪化、外資企業、投資を渋る

【大紀元日本5月19日】在中米国商工会議所は16日、中国にある1000以上の米国企業に対して調査を行い、白書「中国の米企業」を発表した。同白書によると、北京の深刻な交通問題、上海の大気汚染、天津の地方保護政策および中小企業の投資に対するけん制、四川における熟練工員不足などの原因により、外資企業が投資を渋る結果になったと分析した。同調査は、中国へ投資する米企業に対して、参考資料を提供するために行われた。

北京「中国青年報」17日の報道によると、北京は2008年のオリンピックのために、世界レベルの大都市へ向けて大掛かりな建設が行われているという。しかし、白書では、北京市の主な問題は「この都市は、生活や仕事および旅行に人を惹きつける魅力がない」と指摘した。

在中米商工会議所は、北京市が真っ先に解決しなければならない問題とは、急激に悪化した交通渋滞であると指摘した。北京市は中国人で自動車の所有率がもっとも高い都市で、全市には250万台以上あり、さらに、日ごとに1千台の新車が増加しているという。故に、自動車の密度が高くなるに連れて、交通渋滞も激化した。北京の交通事故発生件数は上海の2倍に上り、中国のトップを占めているという。

空気の質においても北京は中国主要都市の最下位である。顕著に増えているクルマの排気ガス汚染が主な原因であるとみられる。また、北京住民の平均用水量は、同地区の水資源の負荷を上回っており、水資源の不足も外資投資家が憂慮する理由の一つであるとみられる。

上海の大気汚染は住民および労働者の健康を脅かしている(AFP/Getty Images)

上海は中国の最大商業都市として、米国企業にとって非常に魅力のある投資先だが、北京同様に日々悪化してゆく環境が原因で、投資先としての競争力は一段と弱まった。同白書によると、悪質の大気は上海の住民および労働者の健康を脅かしていると指摘した。さらに、人材の争奪および過剰の人材流動は、上海市が直面するもう一つの問題であると分析した。

一方、人口の多い省に含まれている四川省において、熟練工員の不足が問題視されている。同白書では、外国語堪能のエンジニアリングおよび管理職に適任する経験者が不足しているとし、技術を有する人材は発展している沿海地区へ流出していると指摘した。

同白書は、天津および成都において、地方保護主義、中小企業の進出に対する厳しいけん制および税関における低い実務効率により、外国資本の投資を妨げていることを示した。

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