【ニュースレターが届かない場合】無料会員の方でニュースレターが届いていないというケースが一部で発生しております。
届いていない方は、ニュースレター配信の再登録を致しますので、お手数ですがこちらのリンクからご連絡ください。

米下院 政府効率化省提案の94億ドル削減法案を可決 USAIDは数十億ドル縮小

2025/06/13
更新: 2025/06/13

6月12日、米下院は94億ドルの連邦予算削減法案を賛成214票、反対212票の僅差で可決した。この法案は下院多数党院内総務スティーブ・スカリス議員が提出し、公共放送や対外援助の大幅削減が柱となっている。現在、上院に送付されており、党派に沿った採決で可決される見込み。上院ではこの種の法案に対してフィリバスター(議事妨害)回避のための60票要件は適用されず、単純過半数で可決が可能とされている。

法案は、公共放送サービスやナショナル・パブリック・ラジオを支援する公共放送公社への資金提供を全額廃止する。さらに、平和研究所への1500万ドル、アフリカ開発基金への2200万ドルの予算も削減。米国際開発庁(USAID)を通じた数十億ドルの経済援助も縮小する。

法案は加えて、イーロン・マスク氏が主導した政府効率化省(DOGE)の削減措置の一部を法制化する。

DOGEの公式サイトによると、同組織はこれまでに1800億ドルの税金を節約し、納税者1人当たり約1118ドルの節約を実現したという。

この法案は、1974年の議会予算管理法に基づき、ホワイトハウスから先週議会に提出された。議会はこうした予算削減要求を45日以内に承認しなければならない。

下院規則委員会は6月10日、8対4の投票で法案を本会議に進めた。

同委員会のバージニア・フォックス委員長は、「トランプ大統領と共和党議員は無駄な支出の削減を公約に掲げて選挙を戦った。新政権は無駄な支出を見つけ、トランプ大統領はこれらの資金を永久に取り消すよう提案した。これは予算削減プロセスの適切な活用だ」と述べた。

一方、同委員会の筆頭委員ジム・マクガバン氏は反対をした。「この法案は無駄や詐欺をなくすものではなく、人々が頼る不可欠なサービスや命を救うプログラムを削る」と批判した。

特に、HIV/AIDS撲滅を目指す大統領エイズ救済緊急計画(PEPFAR、国際的なHIV/AIDS対策プログラム)を例に挙げ、「PEPFARは2600万人の命を救い、800万人の乳児がHIVフリーで生まれることを可能にした。世界の予防治療の90%以上を担うが、この法案は20年にわたる成果を台無しにする」と訴えた。

採決前、下院少数党院内総務ハキーム・ジェフリーズ議員は法案を「無謀」と批判。「国家安全保障を損ない、国民の健康や安全、福祉を守る能力を弱体化させる。ジョージ・W・ブッシュ政権が始めたHIV/AIDS対策で何十万、いや何百万もの命を救ってきた党派を超えたプログラムも標的にしている」と述べ、共和党議員全員が賛成票を投じると予測した。

これに対し、カルロス・ヒメネス議員は大紀元に対し、「PEPFARへの影響は問題ではない。そのような報道は事実ではない」と反論。アナ・ポーリナ・ルナ議員も、「PEPFARへの影響に関する批判は『戦争を煽るようなもの』にすぎない」と述べた。

大紀元のワシントン特派員。 ワシントン政治を中心に、政治とスポーツ、スポーツと文化の交差点についても取材・報道を行っている。 過去には、Mediaiteのライターや、Jewish News Syndicateのワシントン特派員を務めた。 また、The Washington Examinerにも寄稿したことある。 ジョージ・ワシントン大学卒業。
エポック・タイムズ記者。国政を担当し、エネルギーと環境にも焦点を当てている。核融合エネルギーや ESG から、バイデンの機密文書や国際的な保守政治まで、あらゆることについて書いている。米国シカゴ拠点に活動。