世界最大のパーティー:ミュンヘン、オクトーバーフェスト

【大紀元日本9月26日】9月16日土曜日の正午きっかり、ミュンヘン市長クリスチャン・ウデ氏が、今年のオクトーバーフェスト最初のビア樽の封を切り、第173回オクトーバーフェストの幕が開けられた。世界中からビール好きが集まってくるんだ、とミュンヘンっ子がいうこの祭りは、10月3日23時30分まで18日間にわたって続くバイエルン州あげての大イベントだ。

ミュンヘン市の西南に広がる、42ヘクタールのヴィーゼ(草地)がその会場で、大テント14、中小テント16の中に合計10万席が用意されているという。その他、ビアマグ、エプロンなどのオクトーバーフェストグッズを売る店や食べ物の屋台が軒を連ねる。クラシックからポップスまで毎日どこかでコンサートが開かれ、テントの中でも音楽バンドは欠かせない。

ビヤホールの大テント前(大紀元)

ヴィーゼを訪れる人は毎年、600万人を超す。因みに昨年は610万人が訪れ、オクトーバーフェスト期間中に消費されたビールは610万リットル、ロースト・チキン用の鳥肉は75万羽、ソーセージは18万ペアー(ソーセージは2本一組になっている)と発表されている。また、残ったごみと残飯の山は、合わせて890トンになるとも。

オクトーバーフェストの起源は1810年にさかのぼる。その年10月に、バイエルンの王子ルードヴィッヒとザクセンの王女テレーゼの結婚式の祝いが盛大に執り行なわれた。市民を巻き込んだ大パーティーは10月12日に始まり、10月17日の競馬でその幕を閉じた。翌年もまた、10月に競馬やパーティーが盛大に行われて以来、オクトーバーフェストとして毎年恒例の行事になったという。その後、気候のいい9月に始めるようになり今日に至っている。

ドイツのビール造りの歴史は、キリスト教の修道院で始まった。僧院では質素な食事を補うため、滋養豊富な飲み物としてビールが許されていた。特に、断食期間中には「液体は断食を破らず」というので、愛飲された。ビールがいかに修道士に愛されたか、当時の僧侶一人が1日に飲むビールは平均5リットルという記録が残っている。

(ベルリン記者=門脇)