【季節のテーブル】毬藻の知らせ

阿寒湖に マリモ浮かびて 時を告ぐ


【大紀元日本3月28日】マリモは、ま~るい形をしているので、日本人の記憶の中で愛されています。実際に手にすると肌触りに、含んだ水分の重さが伝わってきます。数センチの大きさに成長するのに数十年もの歴史を経ています。最大31センチのマリモが発見されました。こんな大きさになるのには、おそらく数百年の年月と幸運を要したことでしょう。

もしこんなスローライフなマリモが、地球大の大きさにまで成長するとしたら、途方もない時間がかかるはずです。宇宙の開闢以来に匹敵するかもしれません。ま~るいマリモは、大きく成り過ぎると自然と崩壊するので、決して夢みたいに成長することはありません。

マリモの内部は大きな空洞になっていて、ボールのように目に見える外側の表面の部分・数センチにマリモが群生しています。糸状の姿をしたマリモの個体が絡まって球状化したものが、私たちの大好きな毬藻の姿なのです。外側の皮のような部分をかたち創っていたマリモの世界が、中心部に向かって凹んで崩壊しても、残されたマリモから再生が行われます。現在の地球がもし崩壊し、別の地球へと姿を変えることがあれば、多分マリモのようなプロセスがなぞられることでしょう。

つまり地球が造り変えられる時、表面の地殻はガランドウの中心(凝縮点)に向かって消滅します。消滅し残った断片の幾つかは種(たね)のような素材として、宇宙の縁(へり)=円周部分に集められて、次の地球の姿と骨格が形作られます。縁起とは縁(ふち・へり・周囲)から、地球という天体の中心(核)が生成してくることを諭した、知恵の輪の言葉なのかもしれません。そのことを毬藻もまた、記念日にそっと教えてくれるのです。

*毬藻記念日(天然記念物に指定された3月29日)

(イザヤパンダさん)