ファンタジー:個人タクシー「金遁雲」の冒険独白(2)

私がここ東京で個人タクシーなる人間稼業をするようになり、早数日が過ぎた。季節は蒸し暑い夏を迎えようとしている。午前中の陽気が満ち溢れ、油蝉がジィージィーと泣き始める頃、私はいつものように天空の雲の裂け目から金遁雲号に乗って降りてきて、明治神宮外苑のあたりでこれを物質化した。すると、表の大通りからいい白湯の匂いがしてきた。ふと日本人たちが好む柳麺などを食してみたくなった。

 もとより故郷の中国神仙境で天丹を極めた私にそのようなものはすでに要らないのだが、繁華街を見ると覗いてみたくなるのだ。外苑の大通り近くには、いつもの如く、繁盛店に同業者たちが列を作って順番を待っている。「なあんだ、庶民食の柳麺ごときに・・・食が貧しいな・・・」などと思いつつ、店内のデップリと太った豚のようなコックが豚足を中華包丁でさばく様子を見ているうちに、やっと食卓につくことができた。

 驚いたことに、ここ日本の中華料理は、柳麺と焼き餃子ばかりが異様に発達している。柳麺も白湯は中国に似ているが、異様に塩辛い。客人たちが冷水をガブガブと飲んでいるが、これでは胃液が薄まりよくないだろう。とりとめのないうちに食事を終えると、ハタと気付いたことに、日本の人民幣がない。私は風で足元に流されてきた葉っぱを拾うと、サッと円に変えた。図柄の「福沢諭吉」が、心なしか蒋介石に似てしまったが、ご愛嬌だ。

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