成人向け粉ミルクもメラミン検出、乳幼児向け含有量の2倍=中国

【大紀元日本10月6日】乳幼児粉ミルクおよび液体乳製品よりメラミンを相次いで検出されたことから、中国の企業20社が製造する一般(成人向け)粉ミルクおよびその他の処方粉ミルク製品からもメラミンを検出したことが明らかになった。

中国国家質検総局(以下、質検総局)の検査結果によると、今回検出されたメラミンの含量はこれまでに問題になった乳幼児用粉ミルクに含有された検出量よりはるかに上回るという。その内、石家荘宝城乳業有限公司の製品からは5577・29mg/kg、唐山市龍源乳業有限公司の製品からは5539・76mg/kgが検出された。

*一般成人向け粉ミルク、メラミン含量が乳幼児向けの2倍

質検総局の通達によると、メラミンを検出された20企業の製品は31ロットにわたり、ロット製品は石家荘の「三鹿グループ」およびその所属企業に集中していて、メラミンの最高含量が6196mg/kgだった。また、問題となった製品は「三鹿グループ」のほかに、南山、雅士利、伊利、蒙牛等のブランドに及んだ。

これらの問題ロットから生産された乳幼児粉ミルクの内、三鹿ブランドの幼児向け粉ミルクから検出されたメラミン含量がもっとも高く2563mg/kgだった。しかし、今年の4月3日に同ブランドの亜鉛強化粉ミルクから検出されたメラミンは何と6196・61mg/kgにも達している。一方、湖南省の南山ブランドの粉ミルクのメラミン含量は2200mg/kg~5624mg/kg。

*問題製品はすでに自主回収

通達の中で、問題になったロット製品に関して、関連企業は質検総局の要求に従い、自主回収および払い戻しを行っていることから、現在市場で流通している製品には入っていないことを明らかにした。

医学専門家は、成人の生理機能および飲食構造は乳幼児と異なり、食用ミルクに少量のメラミンが含有されても、体から排出することができることから、泌尿器系結石になる可能性は小さいとの見解を示した。現在、問題粉ミルクを食用して、泌尿器系結石を引き起こした臨床報告の症例はまだない。

*国産乳製品を恐れる民衆

一家全員が三鹿ブランドの粉ミルクを飲んでいる広東省の李さんは、「息子はこれまでに母乳は一度も飲んだことはなくて、粉ミルクで育てられた。息子には何かあったら、絶対に許さない」と訴えた。李さんは、五輪の参加者たちが飲んだ牛乳はすべて合格したものに対して、同じ時期に製造された国内民衆用の牛乳は何故問題になるのか?」と指摘した。

江蘇省宿遷地区の住民は、今回の事件は政府当局の腐敗と無能をあらわにしたとし、ここまで深刻な問題を引き起こしたことに対して、政府当局全体が辞職すべきにもかかわらず、何人かの政府関係者しか免職していないと怒りを表した。

一方、3年7か月間「三鹿」ブランド粉ミルクを飲み続けた江蘇省・蘆さんの息子(4)は、腎臓結石、腎臓嚢腫および胆嚢結石に罹っていることが検査で分かった。また、河北省石家荘・張さんの子供(1歳半)は「三鹿」の粉ミルクを1年近く飲んでいた。今年の5月に、子供は突然に血尿が出て、いろんな病院に入院治療しても良くならなくて、潜血検査では65%の赤血球に異変が生じていて、尿中に大量な結晶が出ていて、子供の治療のために仕事を辞めざるを得なかったと訴えた。

民衆は、有毒粉ミルク事件は子供から成人まで全国に及ぶ問題になっていることから、質検総局、法律執行部門などの無責任と腐敗を非難し、国の制度が悪いと指摘する民衆も多くいる。

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(記者・古清児、翻訳編集・余靜)